絶滅が危惧される海鳥は米国で支援されるだろうか?

アホウドリ類及びミズナギドリ類の保存に関する条約(ACAP)の実施が
米国にとっては野生生物の保護を改善する絶好の機会です。
写真提供: F Peppes

世界的に絶滅が危惧される海鳥の保護が、米国で提案されている新しい法律で後押しされています。下院議員Alan Lowenthalが、米国連邦政府関係機関が延縄漁その他の脅威による海鳥の死を減らすことを目的とする国際協定に従うことを可能にする法律を提案しました。

もしこの新しい法律が合意されれば米国は、アホウドリ類及びミズナギドリ類の保存に関する条約(ACAP:日本は未加盟)に署名する14番目の国になります。この協定はこれまでに分かっているアホウドリ類、ウミツバメ類、ミズナギドリ類への脅威を減らすため国際的に連携して活動することにより彼らを守ることが目的です。ACAPは2004年2月に施行され、現在その対象は31種に上り、そのうち21種は世界的な絶滅危惧種です。

米国は漁業による混獲を減らすことに積極的に取り組んでいますが、ジョージ・ブッシュ大統領やオバマ大統領の努力にもかかわらずまだACAPへの署名に至っていません。下院議員Lowenthalは提案した法律について「米国魚類野生生物局とアメリカ海洋漁業局に漁業保全対策の実施、国際的漁業の取りしまり、環境の復元、外来種の減少、教育プログラムの開発、国際協力などを行う権限が与えられるでしょう。」と言っています。

また下院議員Lowenthalは次のように付言しています。「ACAPの実施は米国にとって野生生物の保護を改善する絶好の機会です。それは米国内だけでなく、他の国にも強力な保護基準を採用するよう促すことにより世界中で可能になるのです。」

自然保護活動家は下院議員Lowenthalを歓迎しています。ナショナル・オーデュボン協会(米国のバードライフ。パートナー)会長のDavid Yarnoldは「今こそこれらの素晴らしい鳥たちをこのような無用な死から守るべき時です。この法案は鳥にも人にも理に叶ったものです。私たちは連邦議会議員にこの法案が通るよう求めて行きます。」

バードライフはACAPの監視団体の一つで、ACAPの作業グループで積極的な役割を行っています。バードライフのマリーン・プログラムのヘッドCleo Smallは今年の5月にチリで開催される第9回ACAPの諮問委員会にバードライフの有する情報を提供して協力する予定です。

 

報告者: James Lowen

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