蝶、SEO/BirdLife、そしてナチュラ2000市民賞

手で蝶の形を作っても世界が変わることはないでしょうが、それは‘ナチュラ2000ネットワーク’を祝うヨーロッパ全土の人たちの心を掴んでいる象徴的なジェスチャーなのです。2015年度の欧州ナチュラ2000市民賞の受賞者にスペインのSEO/BirdLife(スペインのパートナー)が選ばれましたが、それは欧州の自然と野生生物を守る上でのナチュラ2000サイトの重要性についてSEO/BirdLifeが‘ナチュラ2000の日’プロジェクトにより広めているからです。

20年に及ぶ歴史や人々と自然および経済にもたらす利益がありながら、殆どのヨーロッパの人々はナチュラ2000ネットワークの存在さえ知りません。そのため5月21日をEU法で守られているヨーロッパ最大の自然エリアのネットワークを祝う‘ナチュラ2000の日’に定めたのです。この日は1992年にナチュラ2000ネットワークの基盤である‘EU生息地指令’が承認された正にその日なのです。

2013年に‘ナチュラ2000の日’キャンペーンが始まって以来、4万人以上の人々が欧州全体での様々なイベントに参加し、6百万以上のソーシャル・ネットワーク・アカウントへのアクセスがありました。幼児からティーンエージャー、お祖母さんまであらゆる年代層の数千人もの人々が彼らが自然を愛しており、ナチュラ2000ネットワークを通じて行う自然と野生生物の保護を支援していることを示すシンボルとして‘蝶のジェスチャー’をしている自分たちの写真を寄せました。

また、毎年5月21日に欧州委員会は幾つかの賞を手渡すことによりナチュラ2000を祝います。欧州ナチュラ2000市民賞は受賞者を欧州の市民が自ら選ぶ特別なものです。今年はSEO/BirdLifeとスペインの通信社EFEが去年始めたイニシアティブである‘ナチュラ2000の日’プロジェクトが選ばれたのです。

 ‘ナチュラ2000の日’プロジェクトは、毎年欧州にある特定のナチュラ2000サイトの保全に捧げられます。2014年にはドニャーナ地方が選ばれましたが、ここはスペイン南部の広大なエリアで、美しい沿岸性湿地、砂丘、コルク樫、松林および‘マトライ(スペイン語で藪や茂みの混合地)’で構成されている場所です。他の多くのナチュラ・サイトと同様、ここは数千種の動植物にとって重要な場所で、イベリアカタシロワシやスペインオオヤマネコなど困難な状態にある種の生息地です。2015年に選ばれたサイトはドイツのハーフェル川で、ここは欧州中央部で最も重要なナチュラ2000ネットワークの湿地の一つで、数千羽の危惧種の生息地で、また水鳥の重要な休息地でもあります。

5月21日は過ぎてしまいましたが、来年のナチュラ2000サイトの支援活動には今からでも参加できます。ご自身が‘蝶のジェスチャー’をしている写真をアップロードしてナチュラ2000ネットワークを通して欧州の自然と生息地を守りたいとの思いをEUの政策決定者に示してください。

(報告者: リサ・ベネデッティ)

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