野鳥の親友‘キコ’と‘クキ’が助けを求めている!

毒物探知犬チームのキコとクキ
写真提供: (c) V. Saravia

犬が人間の一番の友達であることは誰もが知っていますが、ギリシャでは特別な犬のチームが鳥と野生生物も助けています。キコとクキは毒が含まれた餌と、毒で死んだ死骸を動物が食べてしまう前に発見し、動物たちの命を救うように訓練されています。

北東ギリシャのトラキア地方はジャッカル、オオカミ、クマが丘の斜面を歩き回り、猛禽類が山の上を輪を描いて飛び、ハゲワシが動物の死骸を地上から掃除するために広大な地域を滑空する場所です。しかし一部の人たちはこれらの野生動物は家畜への脅威と考え、違法な毒入り餌や動物の死骸を使って彼らを殺し、大きな影響を与えています。4羽のイヌワシと、ギリシャのシロエリハゲワシの総個体数の40%にあたる40羽近くが一回で殺されてしまった2012年にメスタで起きた恐ろしい事件などがあります。

毒の入った死骸を食べた後、注意深い手当で健康になったエジプトハゲワシ(絶滅危惧ⅠB類) ‘Lazarus’(この個体のニックネーム) に起きた悲劇が報じられています。2012年に放鳥される前に彼には衛星追跡装置が装着されました。彼がギリシャを離れ、その冬をアフリカで越し、2013年に故郷を目指し戻る様子を見ることができました。彼の長旅はエジプト、イスラエル、戦火のシリア、トルコを通過しました。しかし、営巣地から僅か200キロメートル離れたギリシャ国境を越えた2日後に彼は毒入り餌を食べ、死んでしまったのです。ギリシャには僅か10番の繁殖ペアが残っているだけです。このような状況が続けばエジプトハゲワシが過去のものになってしまう日も遠くはないでしょう。

けれども毒物を探知するための高度な訓練を受けた2頭の犬、キコとクキの助けにより、このような不必要な悲劇は止めることができるのです。これまでに2頭の犬はギリシャのダディア国立公園とメテオラ国立公園で数百平方キロメートルをカバーする100回のパトロールを行いました。去年、2頭は毒殺された野生動物の死骸30体と、10kg以上の毒入り餌を発見し、野生動物が食べてしまう前に除去したのです。

キコとクキは、毒薬が野生生物にゆっくりとした苦しい死をもたらす前にこれを発見します。また、家畜を守るためには他にも方法があるため、毒物を用いた野生生物に対する犯罪は不必要であることを啓発し、社会の意識改革を行うべき地域を明確にするのを手助けしています。

しかし、彼らの重要な活動を続け、絶滅の恐れがあるエジプトハゲワシを救うためにはキロとクキは皆様の助けが必要です。ギリシャ鳥類学会と‘エジプトハゲワシ・プロジェクト’を支援し、年間に数千ユーロ掛かる彼らの餌代と獣医への支払いへの支援をお願いします。

(報告者: バードライフ・ヨーロッパ)

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