スカンジナビアの人々はどのようにしてEUでの漁業管理における先例となることができるかできるのか

高い頻度で魚網に掛かってしまう種 ホンケワタガモ
写真提供:© Andreas Trepte

EUの政策決定者は今バルチック海での商業的魚種資源(タラ、ニシン、スプラット)をどのように管理するか、また、‘混獲’という言葉で知られる海鳥の偶発的な捕獲を含む広義の環境に対する漁業活動の影響について議論を重ねているところです。しかしバルチック海ではこれはどのように具体化できるのでしょうか?また、バルチック地域のために定められる決定が何故他のヨーロッパ諸国にとってそれほど重要なのでしょうか?

混獲は海鳥の生存に対する脅威です。漁師はしばしば海鳥が採餌する場所と同じエリアに集まります。餌を求めて潜水している時に海鳥は魚網に絡まったり、釣り針に掛かってしまい溺れ死にます。バードライフはこの問題を解決するために世界中の漁師と共に活動を行い、ほんの数例を挙げるなら、ナミビア沖やウルグアイの漁船団の漁業管理で大成功を収めました。海鳥の混獲削減は漁業管理が良ければ容易に達成できるのです。

ビロードキンクロ、ホンケワタガモ、コオリガモなどがバルチック海で漁網に掛かってしまう海鳥で、漁師は主としてタラやニシンの漁獲を狙っています。研究によればバルチック海と北海だけで毎年約20万羽の海鳥が混獲の犠牲になっていることを示唆しています。これは海鳥の個体数に有害な影響を与えるものです。

2012年に欧州委員会は海鳥の偶発的捕獲の問題に処するための行動計画を発表しました。2013年にはEUは‘共通漁業政策’を採択しましたが、これは生態系をベースにした漁業方法の実施により漁業が広義の環境に与える影響を最小限に抑えることを目的としています。これらのプランは同地域で操業する猟師が魚資源を最大の維持可能なレベルを保ち、復元を確実なものにするために行うべき指針を与えるものです。更に同プランは漁業が目的外の種に与える影響を最小化することも目的としています。それには目的外の魚および魚以外の種が含まれます。これらの指針には加盟国が毎年協議して定める漁獲制限量、魚資源を守るために効果のある技術的ルール、海鳥などの捕獲目的外の種、海上で不要な魚を投棄する限度を定めるための陸揚げ義務のルールなどが含まれています。

‘バルチック海管理計画’は他の地域の海洋計画全ての先例になるでしょう。3月30日には欧州議会の漁業委員会のメンバーがこの計画だけを決めるために投票を行います。それまでに彼らは委員会の不明確な提案をどのように変更するかを話し合っています。

幾つかの疑問が残ります。2015年に、EUは前年に述べたことをバルチック海で開始するのでしょうか?EUは国際社会の動きで遅れを取るのかゲームを先に進めるかのどちらでしょうか?EUは漁業と広義の環境への影響を管理することが出来るのでしょうか?

(報告者:エロディー・カンタルーブ)

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