英国大使館がアテネの中心地で野鳥の楽園になった

写真提供:(c) Vretaniki Presveia

ギリシャ鳥類学会(HOS: ギリシャのバードライフ・パートナー)は英国大使の招きに応じて、同大使館の敷地内に7個の巣箱を掛けました。

英国大使館はギリシャのアテネ中心地にあり、ここは著名な元・同国首相エレフテリオス・ヴェニゼロス(1864-1936年)の住いでした。英国政府は彼の死後間もない1936年にこの住まいを入手しました。ヴェニゼロスの父親が1870年代に建築したこの巨大な家は豪華なランの花やたくさんのオレンジ、レモン、アーモンド、アンズ、ダイダイや他の柑橘類、イトスギ、ブーゲンビリアに囲まれた多くの鳥の安息所です。

2014年12月、HOSは英国大使ジョン・キットマーに邸宅の庭に巣箱を掛けるよう求められました。大使は、「歴史的なこの邸宅の庭に、アテネの鳥や街を通過する時に安全な塒を求める渡り鳥のために7個の巣箱が掛けられることを嬉しく思います。英国には昔から野鳥を守る伝統があり、彼らが都市の中にもいることが人の生活の質の指標だと思います。ギリシャ鳥類学会(HOS)の調査と巣箱の設置に大いに感謝する次第です。今から数か月後に最初の羽毛のあるゲストを歓迎するのが楽しみです。」と言いました。

留鳥や夏鳥など数種の鳥は樹木の自然の洞を住処にしています。けれどもアテネ一帯では営巣に適した木の数が減っており、このような洞が出来る程の大きさまで育つ木が殆どありません。このため、巣箱を掛けることは町の中に自然の洞を補完する意味で極めて重要で、鳴禽類やキツツキ、フクロウなど多くの種に営巣場所を提供するのです。

HOSの理事George Sgourosは次のように言いました。「英国大使館との協力は私たちのRSPB(英国のバードライフ・パートナー)との強い絆が続くことを意味します。英国市民は環境と社会への感受性の高いことでよく知られており、キットマー大使がアテネの鳥に安全な場所を提供するというこの伝統に従ってくれたことを喜んでいます。今回の巣箱は春に営巣する特定の種のためにデザインされたものですが、冬になれば市内に生息する様々な種のシェルターとしても利用されるでしょう。」

「英国大使によるこのイニシアティブを他の人たちも行い、現代の幅広い環境問題に大衆の関心を高める助けになることを望んでいます。」と結びました。

(報告者:バードライフ・ヨーロッパ)

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