スンダルバンスの惨事

油と泥にまみれたカワセミ バングラディシュ、スンダルバンスのMrigamari 運河
写真提供:Tanim Ashraf

タンカーが別の船と衝突し、35万リットルのオイルがバングラディシュ・サンダルバンスのマングローブ干潟に流出しました。

写真提供:Helal Sujon

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「家族の誰かが亡くなった時に感情を隔てるのは難しいものです。あなたの一部が一緒に死んだように思えます。サンダルバンスでのオイル漏れに取り組むのはこれと似ています。時間が癒してくれる痛みではありません。」

サンダルバンス・ヒレアシ類研究プロジェクトのチーフ調査員Sayam Chowdhuryはバングラディシュのこの驚くべき場所に精通しています。

サンダルバンスは世界最大のマングローブ林に覆われた広大な塩水性干潟のあるデルタ地帯で、ベンガルトラ、カワイルカ、絶滅危惧鳥類のアジアヒレアシなど多様な野生生物が暮らす広大な保護区を含んでいます。

「オイルは狭い水路に流れ込み、アジアヒレアシや他の水鳥の餌場である岸に堆積しています。もしカニや小魚が死んでしまうと、これらを主食にしているヒレアシが次に死ぬ可能性は非常に高いと思われます。」とSayam Chowdhuryは言いました。

「また、もし鳥がオイルにまみれ、それが目の中に入れば捕食されることから逃げるのは困難になり、体温は下がり、食べ物を捕ることが出来ず、餓死してしまうでしょう。これは8種のカワセミ、少なくとも10種の猛禽類を含む100種以上の水鳥に起きる現実なのです。ここには短期に起こりうる影響だけをリストアップしました。今回のオイル漏れがサンダルバンスの鳥に及ぼす長期的な影響は想像することすら困難です。」

オイル漏れの除去作業はほぼ全てこのエリアの人たちに依存しており、彼らは装備もなく訓練も受けておらず防護服もありません。

バングラディシュ南部からインドへと広がるサンダルバンスはおよそ4百万人の人たちの住いとなっており、彼らのほとんどは広大な森林と迷宮のような水路からの恵みで直接生計を立てているのです。

(報告者:マーチン・フォーリー)

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写真提供:Helal Sujo

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