科学者が世界で最もかけがえのない保護区を特定した

レイサンマガモ
写真提供:James H. Breeden Jr.; worldsrarestbirds.com<

新しい科学的研究により世界の哺乳類、鳥類、両生類の絶滅を防ぐための最も重要な保護区が明らかになりました。バードライフ・インターナショナルを含む国際的な協力の結果、この分析は世界の生物多様性を守る上で保護区の効率性を改善するための実務的なアドバイスを提供します。

国際的科学雑誌サイエンス誌の最新号に発表されたこの研究では173,000ヶ所の陸上の自然保護区と21,500種のIUCN(国際自然保護連合)の絶滅危惧種のレッド・リストの評価に基づいて個々の保護区の‘代替不可性’を計算しています。分析では各保護区が長期に亘り種を保全する貢献度を比較しています。

78ヶ所(34ヶ国137ヶ所の保護区より)が特別に代替不可と判定されました。これらの地域には600種以上の鳥類、両生類、哺乳類の大多数の個体群が生息しており、そのうちの半分は世界的に絶滅が危惧されています。

多くのケースでこれらの保護区は、絶滅危惧ⅠA類のハワイ諸島野生生物保護区の固有種レイサンマガモやベネズエラのカナイマ国立公園の13種の固有両生類など、他の場所には居ない種を守っています。

これらの代替不可地域の多くはすでにユネスコの世界遺産条約により‘顕著な普遍的価値’のある場所に指定されています。そこには有名なエクアドルのガラパゴス諸島、ペルーのマニュ国立公園、インドの西ガーツ地方などが含まれています。

しかしながら、その一方でこれらの地域でカバーされる半分の土地が世界遺産の認定を受けていません。たとえばタンザニアのウズングア山脈国立公園、国際的に重要なキューバのシエナガ・デ・サパータ湿地、そして絶滅危惧種にとって世界で最も代替不可のサイトであるコロンビアのシエラ・ネバダ・デ・サンタ・マルタ自然国立公園などが認定を受けていなのです。

保護区を増やすことに焦点を当てていたこれまでのアセスメントと異なり、今回の研究は既存の保護区で往々にして欠けていた管理を改善するための必要事項やガイダンスの提供を強調しています。

 

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