OCTOPUSパイプライン・プロジェクトが渡り鳥や留鳥にとってチリで最高の湿地に脅威を

チリのロクアント・アンダリエンIBAのアメリカズグロカモメとユウガアジサシの混群

チリのタルカウアノ、ペンコ、コンセプシオンの3市の間に位置するロクアント・アンダリエン湿地が内陸部に二つの火力発電所の建設を予定されている新しい港湾施設“OCTOPUS海運ターミナル: コンセプシオン湾、ビオービオ第8地区”と結ぶ液体ガスのパイプラインの建設計画による脅威を受けています。この地や他の沿岸性および河川性の湿地の水理学および生態学的な完全性に影響を与える可能性の高いこの巨大プロジェクトは米国、ドイツおよびチリの投資者グループにより1億5千万米ドルという多大な額の支援を受けています。CODEFF(チリのバードライフ・パートナー)、湿地の地域保護グループおよびバードライフ・アメリカ事務局は直ちにこのプロジェクトへの反対を正式に表明し、プロジェクトの第1段階のための環境影響アセスメントに関する詳細なコメントと観察の長いリストをビオービオの環境評価サービスに送りました。これは現在関係省庁で検討されています。

ロクアント・アンアリエン湿地は世界的な準絶滅危惧種ユウガアジサシやペルーペリカンを始め、アメリカズグロカモメ、チュウシャクシギ、クロハサミアジサシ、コキアシシギなどの渡り鳥が多数集まるIBA(重要生息環境)として知られています。北半球からの渡り性水鳥にとっての重要性、特にアメリカズグロカモメの存在により、このサイトは米国魚類野生生物局NMBCAやリオ・ティント社により何年にも亘って資金支援を得ている“サイトをつなごう、人々をつなごう”プロジェクトの一部を構成するものとして選ばれました。今年末に終了する予定のこのプロジェクトは鳥と人にとってこの湿地が重要であることへの関心を高め、チリの法律で自然サンクチュアリとして法的な宣言がされるなど大きな進展を果たしました。

7月31日、タルカウアノ、ペンコおよびトメのコミュニティの知事が集まり、OCTOPUSプロジェクトに対する完全な拒否を宣言しました。CODEFFからのNMBCA-リオ・ティント・プロジェクトのコーディネーターのパトリシオ・オルティスは言っています。「これは関係市政機関によるこの湿地の保護を支援する非常に重要な宣言です。しかし、プロジェクトはチリ政府の承認を得ているのでまだ戦いに勝ったわけではなく、これを拒絶または変更するには長いプロセスが必要になるでしょう。」

チリの環境評価サービスは公式にCODEFFとバードライフ・パートナーシップが申し立てたプロジェクトへの反対を受け取ったことを認めていますが、まだ申立書へのコメントは行っていません。その間の8月14日にCODEFFを含む様々な市民団体が環境省がロクアント・アンダリエンを自然サンクチュアリとして宣言することを要求するために集まりました。パトリシオ・オルティスが説明したように「この湿地を至急宣言することはガス・パイプラインの建設を止めるための重要な論拠を提供し、このサイトの生態的、環境的な一体性を損傷する他のプロジェクトも止めることが出来るでしょう。この湿地はこれまでにも工業、港湾建設、住宅建設、道路プロジェクトなどの影響を受けてきましたが、それにもかかわらず、生態的に無傷の状態にあり豊かな生物多様性が保たれています。今やそのままにしておくのではなく法的にこれを守るべき時です。」

報告者:CODEFF

 

 

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