2018年「野生生物違法取引会議」でのバードライフの誓約

ショウジョウインコは持続不能な数の捕獲が野外で行われています。 写真提供: © Panu Ruangjan

ゾウやサイだけではありません。10月上旬にロンドンで開催された会議でバードライフは、世界の鳥も緊急に助けを必要としていることを改めて強調しました。以下はオウム、サイチョウ、ハゲワシなど世界で最も狙われている鳥を守るために発表した私たちの誓約です。

10月上旬、バードライフはロンドンで開催された「野生生物違法取引会議」に参加しました。これは世界のリーダーを統合し、この破壊的な行為と戦う活動を活気づけるためのイベントです。野生生物違法取引は実際に麻薬、武器売買、人身売買に次ぐ4番目の最も儲かる国際犯罪なのです。影響を受けるのは動物だけではありません。犯罪組織は貧困にあえぐコミュニティに狙いを定め、彼らが持続可能な生計を得ることも妨げます。

政治家、NGOそして当局がアル・カポネなどのマフィアのリーダーの問題に取り組んだ時と同じ方法でこの業界を取り締まるべきである、と語った英国王室のウィリアム王子など、多くの主要な人物が参加しました。そして主題が、象牙やサイの角になりがちだった中で、私たちは自然保護界には鳥も同様に緊急な措置を必要としていることを改めて強調しました。これを支援するため、私たちの活動がいかにして密売の対象となる鳥を絶滅から防ぐかということを示す二つの誓約を提出しました。

 

1)アジアにおける鳥の密売に終止符

オナガサイチョウは堅く彫刻ができる”犀角”が求められている。
写真提供: © WCS / Dewantara

世界中の野生生物違法取引による鳥や他の生物多様性への脅威の増大に対処するため、バードライフは多くの重要エリアでの野生生物の密売に対する世界的な行動に貢献するため2018年度ロンドン会議の宣言と誓約の指針を支持します。特にアジアでは鳥に影響を与える取引が増加しています。

近年野生生物の密売の規模と影響は危機的レベルに達し、2014年のロンドン会議ではこの問題への国際的な関心を高めました。しかし、ゾウ、サイ、トラ、センザンコウなどへの一般の関心は高まりましたが、鳥類の違法かつ持続不能な取引はあまり関心を集めませんでした。世界中の120のNGOをパートナーとする世界最大の自然保護パートナーシップであり、IUCNの鳥類部門のレッドリスト作成者であるバードライフは、世界の主な鳥類分類群に対する違法取引の直接的、間接的な影響の理解を深め、取り組む活動を行っています。特に私たちはアフリカとアジアにおいてハゲワシ、鳴禽類、サイチョウ、オウムに関連する違法取引に取り組む共同の活動を立ち上げることを誓約しました。

アジアの鳥の密売に関してバードライフのパートナーシップは、以下の国内、国際活動への参加と支援を約束しました:

  • オナガサイチョウとその部位や派生製品の取引を減らし、最終的に取引を止める
  • 取引の影響を受けるアジアの鳴禽類やオウムへの脅威を減らし、これらの種の減少を反転させる
  • 2020年までに、関連する政府間タスクフォースと協力して、東南アジアにおける野鳥の狩猟と捕獲の状況分析と取引の推進的役割の評価を含めて行い、公表する

これらの誓約はアジアの鳥の密売が多くの種の個体数減少の主因であり、種によっては野生絶滅に導くことから必要とされています。

オナガサイチョウは、独特の堅い犀角がアジア全域で彫刻された宝飾品やアクセサリーの材料として需要が高いことから、密売により絶滅が危惧されています。多くの鳴禽類とオウム類の、特にインドネシアと近隣国では密売により最近15種がIUCNのレッドリストで絶滅危惧ⅠA類にされるほど増加しました。この地域では多数の渡り鳥が密猟で殺されており、その取引もこの殺戮の一翼を進めているようです。

ステータス・シンボルになっている彫刻の施されたオナガサイチョウの犀角
写真提供: © Kanitha Krishnasamy / TRAFFIC

バードライフは、重要なサイトにおける野生の鳥類の罠猟を減らし、関心を高め、能力を構築し、密猟の減少と、国内外の政策と法制の強化を求める政府、民間部門、コミュニティを基盤とするアプローチを支援して、合法的で持続可能な市場の存在を確実にすることを支援するための行動を行います。

全ての場合において、バードライフは合意された国際計画と戦略、特にIUCN SSCオナガサイチョウの進捗レビュー、広域保護戦略・行動計画(2018-2027)、IUCN SSC アジア鳴禽類売買専門家グループの推奨と戦略、および、アジアのオウム売買の進捗レビューに貢献するつもりです。

 

2)アフリカーユーラシアのハゲワシの救出

 

絶滅危惧ⅠA類のコシジロハゲワシ
写真提供: © Laszlo Csoma

バードライフ、IUCNの種の保存委員会ハゲワシ専門家グループ、ハヤブサ基金および絶滅危惧野生生物基金は特に、ハゲワシの密売の直接的・間接的な影響を懸念しています。まとめると、私たちは以下の項目に対する国内外の活動に参加し、支援することを誓います。

  • 信仰に基づく利用のためにハゲワシとその部位を売買することを減らし、最終的には止めること
  • ゾウの密猟者によるハゲワシの農薬中毒を減らし、最終的に止める
  • ハゲワシとライオンが毒殺される場所での、意図的なライオンの部位の取引を隠蔽する、人とライオンの争いを減らす

私たちは、関連する国際的計画と戦略に今後も貢献します。特にこれらの脅威への取り組みを明記し、それと戦うための行動を含む2017年のCMS(移動性野生動物の保全に関する条約)への加盟国により採択されたアフリカーユーラシアのハゲワシ保護のための「複数種行動計画」を支持します。

これらの誓約は、アフリカのハゲワシ類が野生生物の密売によって絶滅の危機に瀕しているために必要なのです。近年、個体数が激減し、11種のアフリカのハゲワシのうちの7種がIUCNのレッドリストで絶滅危惧ⅠA類またはⅠB類に分類されるほどなのです。

身体的および心的疾患を治す、あるいは幸運をもたらすとの信仰に基づく、ハゲワシおよびその部位を利用するための密売はより明らかになって来ており、アフリカにおけるハゲワシの個体群全体の脅威です。このような行為は何年にも渡り行われていたのですが、人口の急増と、鳥の狩猟がより効率的(極めて毒性の高い毒薬)になったことで、ハゲワシへの悪影響が増大しました。この脅威は恐らく、ブッシュミート(野生動物の肉)の売買とつながっており、ある程度相互に持ちつ持たれつの関係があり、ハゲワシにも影響を与えています。

毒で死んだ動物の死骸は150羽のハゲワシを殺す可能性があります。
写真提供: © Nature Kenya

ハゲワシは広義の野生動物の密売によっても影響を受けます。近年の象牙取引のためのゾウの密猟が、アフリカのハゲワシの大規模な毒殺につながっています。ハゲワシは、ゾウの死骸に大量の殺虫剤を撒き、野生の監視員や密猟のレンジャーによる旋回警告を妨げようとしているゾウの密猟者の標的になっています。つまり、ハゲワシは密猟の監視員の役割を果たしているという理由だけで殺されており、ここから「監視員の毒殺」という言葉が生まれました。しかし、これは深刻な結果につながる恐れがあります。1回の毒殺事例で500羽以上のハゲワシを殺したこともあるのです。

ライオンの部位の密売の急増も、ハゲワシの毒殺と関係しています。ライオンは取引目的で意図的に毒殺されるか、家畜を襲ったライオンを毒殺する陰で、その体の部位の売買が追加的な動機づけになって殺されます。これは毒殺が行われた場所では、ライオンが肢、歯、皮、尾のない状態で発見される度合いが増えているという事実が証拠になります。ハゲワシはライオンの死骸の近くでこの行為の副産物のような状態で毒殺されているのです。

報告者:Jessica Law

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