絶滅危惧ⅠA類のコンゴウインコが人工の巣箱を利用し始めた

巣箱の中のアオキコンゴウインコの雛 写真提供: ©Aidan MacCormick

今年、9羽のアオキコンゴウインコの雛がアルモニア協会(ボリビアのパートナー)により設置した巣箱で孵化しました。その中には初めて巣箱で孵化した鳥の第2世代の雛もいます。

北部ボリビアの熱帯サバンナのリャノス・デ・モホスにだけ生息する人目を引くアオキコンゴウインコは、1984年にボリビアで輸出が禁止になるまで、ペットとしての需要が高まった結果絶滅に近い状態に陥りました。

この脅威は減りましたが(完全ではないものの)、推定200~300羽のアオキコンゴウインコの生き残り個体群が復活をするには大きなハードルがありました。わかっている繁殖域は全て個人所有の牧場にあり、その結果、樹木の伐採や燃焼は営巣場所の選り好みが激しいアオキコンゴウインコの可能な選択肢を少なくしてしまいました。

アオキコンゴウインコは営巣するのに大きな空洞のある木を好みますが、150年にわたる牧場経営により、この地方のほとんどの巨木はなくなってしまいました。困難に陥った本種は近年高い率での繁殖の失敗が記録されており、更に主な原因の一つとしてカンムリカラカラオニオオハシなどによる捕食が示唆されています。

けれども2006年以後アルモニア協会(ボリビアのバードライフ・パートナー)が本種の営巣の選択肢を増加させる活動を行って来ました。ロロ公園基金などによる支援を得てアルモニア協会はアオキコンゴウインコの繁殖地域の南部全域に多数の巣箱を設置し、大きな効果を上げました。このプログラムが行われた11年の間に71羽の雛が孵ったのです。これは成鳥の推定個体数が僅か50~249羽とされる種にとっては大変な数なのです。

今年はアルモニア協会の巣箱で9羽のアオキコンゴウインコが巣立ちしました。その中の1羽は巣箱で生まれた鳥の初めての第2世代だったことから、この絶滅危惧ⅠA類の鳥を救うための試みにおける大きな一歩を示すものでした。この雛の両親は共に7年前に巣箱で育った個体で、このペアは彼ら同様巣箱で子孫を育てるために今回、戻って来たのです。

「インコ類は頭の良い鳥で行動の多くを親から学びます。インコのペアが一度巣箱で繁殖をすれば、その子孫はこの習性を学ぶでしょう」-Bennett Hennessy, アルモニア協会開発理事は述べている。

アルモニア協会は現在このプログラムの改善と拡大を進めています。2014年に同協会はバルバ・アスル自然保護区の有力な場所に67個の巣箱を掛けました。ここはアオキコンゴウインコが採餌と塒に利用していますが、まだ繁殖は行っていません。この頭の良い鳥が程なくこれらの人工的な空洞の存在に順応し、この保護区で繁殖を始めることが期待されています。

またアルモニア協会は常に新たな知見が得られ次第本種の要求に合うように巣箱のデザインを変更しています。今年の2月の新しい繁殖地の発見により同協会には本種の好む営巣条件に関する追加情報が与えられました。その結果、今後の巣箱のデザインはアオキコンゴウインコの好みを反映して、今までのものよりも背が高く、場所もより離れたものになるでしょう。

 

報告者: Alex Dale

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