英国政府が鳥類虐殺対策を求める陳情に対応

カスミ網にかかったヨーロッパコマドリ 写真提供: © BirdLife Cyprus

昨年の秋、キプロス島内の英国軍事基地内で殺された80万羽を超える鳴禽類の鳥が、違法取引されていました。英国政府が、地元住民からの陳情に公式に回答しました。

公式には1974年以降、キプロス島全域で野鳥料理は禁止されています。しかし実際には、現地で「アンベロポウリア」と呼ばれる、小鳥を煮たり焼いたりする料理が法律を逆手に取って闇市のレストランのメニューに残っています。

高価な珍味はレストランにとって大きなビジネスで、それを供給するビジネスはさらに大きいものです。これは島を訪れる渡り鳥を産業規模で密猟する組織的犯罪集団を引きつけました。RSPB(英国のパートナー)とバードライフ・キプロスによる2016年に行われた最新の調査によると、これらの犯罪集団が島で殺した鳥の数は約230万羽に上ると推定されます。

問題は特にアクロティリおよびデケリアで深刻です。島のこれらの地域は、キプロス独立に際して英国が戦略的軍事基地として確保した場所です。同地域におけるカスミ網による密猟は、私たちのパートナーが2002年にモニタリングを始めて以来最高レベルで、2002年よりも183%という涙が出るほどの高さになっています。

アクロティリとデケリア地域は軍事基地ですが、その呼び方は間違ったイメージを与えます。この地域の多くの場所は一般人も通行でき、幾つかのキプロス人居住地さえあるのです。密猟のホットスポットになったのは、まさにこのようなエリアです。罠猟師は小鳥を残酷な罠に招き寄せるために、国防省の土地に意図的に外来種のアカシアを植えています。

基地の警察がRSPBのスタッフと共同でこれらの木を除去しましたが、ここ数ヶ月の間に密猟者による抵抗と障害物がこの作業を大幅に遅らせました。現在、デケリアの英国の射撃場におよそ90エーカーの広さでアカシアの木が残っています。

資源に限りがあるので、基地の警察がこの厄介な問題に効果的に取り組むには外部からの支援が必要です。状況は、射撃場の一部が事実上立ち入り禁止地区になってしまうほどエスカレートしています。

バードライフが強く後押しする、オンラインの陳情は、英国政府に対しこの虐殺を食い止めるためのあらゆる対応を求めるために、設定されました。陳情は24,000人の署名を超え、英国の防衛省から以下の回答を得ました。

英国政府にこの問題に気付かせるため、陳情にサインしてくださった皆さん、ありがとうございました。

報告者: Alex Dale

 

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