専門家から学ぶ: バヌアツのトンナ島の伝統的な知恵

カワリヒメシロハラミズナギドリの雛 © NFMV

バヌアツ共和国は太平洋における自然保護のホットスポットです。ここには9種の世界的な絶滅危惧種と9種の固有種が生息しています。同国の27カ所のKBA(生物多様性重要地域)のうちの8ヵ所がバードライフのIBA(重要生息環境)に指定されています。他の太平洋の多くの地域と同様に、バヌアツの独特の自然にとっての最大の脅威は外来種と昔からの農業、林業、鉱業を含む持続不能な土地使用です。

保全活動を成功させるためには、活動計画に基づいて活動を実践する人々により進められなければなりません。彼らは重要な鳥や他の野生生物に対する土地開発と外来種の影響を理解しています。

太平洋地域では気候変動の影響が海面上昇や特に異常気象などの形で影響が見えはじめています。2015年にサイクロン‘パム’がバヌアツに大打撃を与え、多くの人々の命を奪いました。現在もまだ復興の過程にあり、自然が脅威を受けているような遠隔地にある村でとくに復興が進んでいません。

太平洋地域では気候変動の影響が海面上昇や特に異常気象などの形で影響が見えはじめています。2015年にサイクロン‘パム’がバヌアツに大打撃を与え、多くの人々の命を奪いました。現在もまだ復興の過程にあり、自然が脅威を受けているような遠隔地にある村でとくに復興が進んでいません。

これまでのところバヌアツにはバードライフ・パートナーはありませんが、CEPF(クリティカル・エコシステム・パートナーシップ基金)の支援を受け、バードライフはVEAN(バヌアツ環境擁護ネットワーク)を通して地元の自然保護グループと共同で活動をしています。VEANには既に20の地元のコミュニティがメンバーとなっています。バードライフはVEANが人々に歓迎されるようなNGOとなるよう、管理、運営、財務、ファンドレイジングなどを支援しています。

バヌアツの多くの地域コミュニティは昔から野生生物を食料として捕獲してきており、将来も食物が確保できるように、野生生物を捕りすぎを抑制するタブーが存在してきました。けれども彼らも食物資源への圧力が増えてきていることに気が付き、バードライフによりしっかりとした持続可能な収穫を行うための支援を求めて来たのです。バヌアツにはIUCNのレッドリストで絶滅危惧Ⅱ類とされているバヌアツツカツクリとカワリヒメシロハラミズナギドリの2種がいます。西欧社会の多くの人々は危惧種を採取することは不適切なことだと考えます。ほぼ最低限の生活スタイルの村落の住民にとっては個々の種の本質的な価値は重要ではありませんが、これらの種が特別な伝統や昔からの役割と関わっている場合は、保護活動とコミュニティの考えが一致することもあります。もし収穫量を持続可能なレベルに抑制し、営巣地を捕食動物から守ることが出来れば、私たちはコミュニティのために在来の植生の価値を維持、あるいは高めることが出来、それにより人から生息環境への圧力を減らすことが出来るでしょう。こうした手法はこれらの種の未来にとって重要であり、同時に住民と保護団体の間に強い協力関係の形成につながります。

全ての保護活動と同様、コミュニティから広く支持を得るのに重要な課題の一つは、貴重な伝統あるいは自然資産が失われかねないということを彼らに認識してもらうことです。同時にこれらの村落の住民の将来にかかわることでもあるのです。

 

報告者: VEAN, Mark O’Brien and Mike Britton

 

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