国際的に重要なサイトの保護に失敗したブルガリアに最終警告

カリアクラ半島
写真提供:(c) rspb-images.com

6月21日(木)、欧州委員会はブルガリア政府に対して、EU野鳥・生息地指令で要求していた、カリアクラ特別保護区およびコミュニティにとっての重要サイトを完全に指定し、保護し、劣化を防ぐことに失敗したことに対して最終的な法的警告を発しました。

同委員会によるこの最新の行動は、バードライフ・ヨーロッパの支援を受けたブルガリア野鳥保護協会(BSPB: ブルガリアのパートナー)が2005年以来、黒海の沿岸に位置するカリアクラ半島の完全な保全を求めていた長年のキャンペーンの結果です。

カリアクラ半島は世界的な絶滅危惧種アオガンの越冬地の一部を形成する国際的に重要な場所です。この場所はアフリカ・中東・東ヨーロッパにまたがる‘ヴィア・ポンティカ’渡りルート上にあり、シュバシコウなど数千羽の飛翔鳥の中継地なのです。またその環境には欧州生息地指令により優先生息地とされている希少なポント・サルマティック・ステップ草原も含まれています。

しかしながら、IBA(重要生息環境)の大部分が誤った根拠により保護指定から除外されており、また指定済みあるいは未指定の多くの場所が不適切な風力発電や住宅開発により損傷を受けており、同時に、越冬するガン類の餌場を減らし、彼らの冬越しを危うくする恐れがあります。

ブルガリア政府はこの最終警告に対処する機会があります。しかしもし同政府がこの問題への対処に失敗すると、委員会は今年末までに欧州裁判所に諮問することをバードライフ・ヨーロッパとBSPBは期待しています。

バードライフ・ヨーロッパとBSPBは欧州委員会のこの強いアクションを歓迎し、ブルガリア政府が最終的にその欧州での責任を真剣に果たすようこのメッセージを理解するものと望んでいます。それはカリアクラが完全に保護指定され、自然を破壊する開発行為が廃絶され、これまでに環境に与えた損傷が早急に是正されることです。また、鳥にとっての重要なサイトにより多くの発電用風車を建設するという最近の計画は客観的分析の対象にされねばならず、直ちに開発行為が進められることのないようにしなければなりません。

 

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