湿地保護のための賢明な決定になるか? ラムサール条約COP11がブカレストで始まる

第11回ラムサール条約締結国会議(COP-11: テーマは‘湿地: 本拠地と目的地’)がルーマニアの首都ブカレストで今日から開催され、これからの10日間、世界162の締約国が湿地の保全と持続可能な利用を進めるために集まります。

この条約への国際的パートナー団体(IOP)の一つとして、バードライフは強力かつ長年に亘る関係を保っています。多くの湿地性IBA(鳥を指標とする重要自然環境)は、現在あるいは今後の‘ラムサール・サイト’(この条約に従い制定された国際的に重要な湿地)です。

COP-11は先日行われたリオ+21サミットの陰に隠れて行われます。リオ+21サミットでは各国政府は地球全体で緊急に行うべき難問への対処に実質的な進展を与えることに失敗しました。リオ+20における大きな失望は、早くに、そして国際交渉がより楽観的だった時代に作られたラムサール条約を不適切なものにする可能性があります。本当はラムサール条約は、強力な科学的基盤により政府間のシステム、国別の政府、地方政府、市民社会、産業界が共同で活動して、持続可能な開発を達成するために必要な総体的なアプローチのモデルとして、多くのことを提供できるのです。条約に正式に示されている‘賢明な利用’というコンセプトは持続可能問題に直接対処するものです。

このCOP(締約国会議)のテーマは湿地、ツーリズムおよびレクリエーションですが、21の交渉のための決議草案は、貧困、健康、気候、エネルギー部門および責任ある投資などを含む、持続可能な開発問題への挑戦に強く焦点を当てています。また交渉のテーブルには‘湿地の喪失に対してこれを避け、軽減し、埋め合わせをするための統合的枠組みとガイドライン’の提案が出されています。

バードライフは今回のCOPを、短期的利益しか考えない無分別な開発による重要湿地への脅威を明らかする機会にしようとしています。この会議で発表される予定のIUCN(国際自然保護連合)の状況分析は、差し迫った種の絶滅(特に渡り性シギチドリ類)と特に黄海周辺の東アジアおよび東南アジアの干潟における重要な生態系サービスの崩壊に警鐘を鳴らします。急速な干拓が、渡りの途上の水鳥への重要な栄養補給と人々に対する生態系インフラを提供するこれらの環境の消失の原因になっています。

バードライフはパナマ湾湿地についても懸念を表明する予定です。漁業を支える上で重要な役割を果たし、パナマ市を洪水から守るマングローブ林を持つこのラムサール・サイトはアメリカ大陸全体での渡り性シギ・チドリ類にとって最も重要な中継地なのです。最近技術的、法的理由で一時的に停止された保護区の指定や、マングローブの伐採と埋め立ての緩和などを見ると、パナマ湾湿地が生き残るかどうかは、ラムサール条約の有効性を判断するテストケースです。

バードライフはさらに東アフリカの3箇所の重要な湿地とIBA、タンザニアのナトロン湖、ケニアのナイヴァシャ湖とタナ河デルタ、に迫る開発の脅威に関する最新の状況を提出します。

討議を必要とする重要な課題があるにもかかわらず、COPでは時間とエネルギーが会議の運営上の問題、すなわち制度上どこがラムサール事務局を主催するか、ということに費やされる危険があります。締結国は主催者をこれまで通りIUCNにするか、あるいはUNEP(国連環境プログラム)に変えるかで意見が分かれています。二つのオプションに関する論争は終わりの見えないほど繰り返されていますが、変更をする場合の避けがたいコストと混乱を考え、バードライフはこのような変更を行うことの正当性を認められません。他のIOPと共に、バードライフはこの問題への迅速で最終的な決定を出すこと、および、ラムサール条約が面している本当の課題への取り組みからの逸脱を避けることを締結国に求めます。

ルーマニア鳥類学協会(ルーマニアのバードライフ・パートナー)と共に、世界中から数十人のパートナーと本部スタッフがこのCOPにバードライフの代表として参加し、湿地、鳥および人々のために前向きな結果を出すべく懸命に活動します。本欄の更新版をご覧ください。

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