世界を代表する自然保護活動団体が地球上の生命に最も重要な場所を特定するために提携

これまでに18,000ヶ所以上のKBA(主要生物多様性地域)が特定された。
写真提供: © Dimitri B

9月3日、バードライフとRSPB(英国のパートナー)を含む世界の主導的な11の自然保護団体が地球上の生命にとって最重要な場所を特定し、地図に示し、モニターし保全するための野心的な新しいパートナーシップを発表しました。

私たちが地球のどこにいるかに関係なく、私たちは共通言語、つまり自然の言語を使います。太平洋の環礁からシベリアのツンドラ地帯まで、自然は私たちの命の鍵です。ですからこの重要性が世界中に広く認知されることは大切なことです。

今、環境運動関係者は新しい共通の言葉、KBA(主要生物多様性地域)を使用します。この国際言語には既に18,000語以上があります。これはこれまでに特定されたKBAの数です。今後5年間で1,500万米ドル以上が投入され、KBAパートナーシップによって、世界を代表する自然保護活動団体は国際的に認知された世界共通の基準づくりに共同で取り組み、生態系に重要な地域の保全のための新しい‘究極の基準’が作られるでしょう。

KBAパートナーシップを通して、リソースと専門知識が投入され、もっと多くのKBAが特定され、地図化されます。これらのサイトのモニタリングにより潜在的な脅威の検知と適切な保全活動の特定が可能になるでしょう。このパートナーシップは政府に対して保護区のネットワークを拡大する際にもアドバイスを行い、企業と共同で企業活動による自然への影響を縮小、緩和に取り組みます。

この声明はハワイのモロカイ島からそう遠くないホノルルで開催されたIUCN世界自然保護会議で出されました。モロカイ島は絶滅危惧ⅠA類のサンゴPorites pukoensisが生息するKBAで、この海域の浅い海にのみ生息することが知られています。

バードライフのIBAについてご存知の方はKBAのコンセプトもご理解いただけるでしょう。KBAの起源は、過去40年にわたり世界120のパートナーを通じてバードライフが世界中の陸地と海に定めて来た13,000ヶ所のIBAそのものだからです。この新しいKBA基準は既存の同様の手法すべてを単一の保護活動基準に融合させるものです。バードライフは、新しくKBAの世界データベース(World Database of Key Biodiversity AreasTM)を管理することになります。

バードライフのCEOパトリシア・ズリータは次のように述べています:

「種の絶滅を防ぎ、地球上の生命の多様性を維持するためには政策決定者が自然にとって最も重要な場所に関するデータと知識を持っていることが不可欠です。過去40年、世界120の自然保護団体から成るバードライフのネットワークは、鳥にとって重要な数千のサイトを体系的に地図化し保全してきた経験があり、今回のKBAパートナーシップの成功にとって強力な基盤となります。私たちはKBAパートナーシップを代表してKBAデータを管理し、各サイトでの的確な保全活動を手助けする役割を担うことを誇りに思います。」

また、RSPBの国際部長Tim Stowe は下記のように述べています:

「20年以上に亘りRSPBはバードライフ・パートナーと共に世界中でIBAを特定し、文書化し、保全する活動を行って来ました。私たちはIBAのコンセプトが広がってKBAとなり、その結果全ての分類群をカバーすることになったことを嬉しく思います。私たちは世界の生物多様性のために最も重要な場所を自然の拠り所とする役割を果たして行きます。」

生物多様性条約の事務総長Braulio Ferreira de Souza Diasは下記のように述べています:

「KBAパートナーシップは地球の生物多様性にとって極めて重要なイニシアティブです。 ‘生物多様性戦略計画’の目標達成にも活かされ、政府や自然保護団体がその限られたリソースを確実に最も重要な場所に振り分けられるようになるでしょう。」

KBAについて詳しくはこちら

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KBAパートナーシップ参加団体

KBAパートナーシップ参加団体

 

報告者: Shaun Hurrell

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