アイスランド: 火山、氷河、温泉そして海鳥の国

生物多様性で有名なアイスランド
写真提供: Marguerite Tarzia

北極圏近く、大西洋中央海嶺が深海から隆起してできたこの国は、地学的にも生物学的にも脅威の場所となっています。もし美しい風景と24時間の昼(白夜)の冒険をお望みなら、今年の夏はアイスランドを目的地にするべきです!

アイスランドは、地球の歴史上最大の生物シロナガスクジラを含む生物多様性に富んでいて、世界中の海洋生物学者に敬われています。春から夏の間、アイスランドには海鳥の巨大なコロニーが形成されます。もし旅の間に海岸に張り付いていれば、海鳥が巣に戻る様子や、雛に餌を与えている様子を見ることができるでしょう。

現在同国にはFuglavernd(アイスランドのバードライフ・パートナー)により特定されたマリーンIBA(IBA=重要生息環境)が85ヶ所あります。これらのほとんどは陸上のコロニーとその周囲の海から成っており、鳥が採餌をしたり、水面で休息する場所となっています。

ここはニシツノメドリの土地

4月から8月は、カリスマ的な人気を誇るニシツノメドリが巣穴を出入りする姿を見ることができる、観察に絶好の時期です。(次のセンテンスは省略)ニシツノメドリを見るのに最適な場所はWestfjords ÍsafjarðardjúpのLátrabjargやBorgarfjörður eystriです(共に地名)。本種の欧州における個体数は950万羽~1,160万羽と推定されていますが、個体数の減少が続き、大幅な繁殖成功率の低下により、今では絶滅危惧ⅠB類に分類されています。

崖で営巣する別の種でたくさん見ることができる種にはフルマカモメがいます。美しい海鳥で(アホウドリ、ウミツバメ、ミズナギドリの仲間)、何の苦労もせずに風に乗って帆翔するように見えます。ただし、近付き過ぎないようにご注意を。脅威を及ぼすものには防御として油状の物質を吐きかけるからです。ツノメドリと同様、本種も最近ヨーロッパでは絶滅危惧ⅠB類に格上げされました。

アイスランドではミツユビカモメ、オオハシウミガラス、ウミガラス、ハシブトウミガラス、ハジロウミバトも見ることが出来ます。崖を離れれば、ホンケワタガモなどの海ガモ類を見るチャンスもあります。

気候変動と苦闘する海鳥

アイスランドは海鳥、クジラ、イルカなどを見ることのできる素晴らしい場所にです。けれども、直接、または間接的に人の活動によってもたらされた海洋環境の変化が、餌の量、繁殖と渡りの時期、そして究極的には繁殖の成功率と生存率に影響を与えています。

もちろん気候変動はアイスランドだけに限られているわけではありませんが、ここは世界でも壊滅的な繁殖失敗に見舞われた場所の一つです。海水温の上昇と海流の変化により、イカナゴ、ニシン、オキアミなどの海鳥の餌になる動物の分布が変わってきているのです。こうした状況から、海鳥がお腹を空かせた雛のために餌を見つけるのが非常に困難になっています。場所によっては2005年以後ニシツノメドリの繁殖成功率はほぼゼロになっており、この傾向が続けばツノメドリや他のアイスランドの海鳥の存続は本当に困難な状況に陥るでしょう。

地元の人々からの助言: バードライフ・チーム

バードライフのチームは先頃Fuglavernd(アイスランドのパートナー)や科学者とともに、中部大西洋の(国境を越えた公海上に)重要エリアを特定するためのワークショップのために、アイスランドに向かいました。ちょうどこの機会に、私たちは同国のマリーンIBAの一つVestmannaeyjar(ウエストマン島)を探索することにしました。このアイスランド本島の南にある小島は同国最大のツノメドリのコロニーが増加し、8百万ペアと推定されています。一ヶ所にこれほど多くのツノメドリが居る場面を想像してください。ウエストマン島にはフェリー又は飛行機で簡単に行くことが出来(ツノメドリが見られるのは周辺の海ですが)、探検にうってつけの洞窟や火山もあります。あまり遠くまで行きたくないけれどもツノメドリを見たい方は、レイキャービクの旧港からの船に乗ればEngeyまたはLundeyで(共に島の名)ツノメドリを近くで見ることも出来ます。

 

報告者: Marguerite Tarzia and Holmfridur Arnardottir

原文はこちら

 

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