オーストラリアの絶滅危惧IA類の鳥、キガオミツスイが裁判に勝利

キガオミツスイ
写真提供: BirdLife Australia

バードライフ・オーストラリアが絶滅危惧IA類のキガオミツスイの保護を勝ち取った裁判所の画期的判決を祝っています。これはこの種にとって是が非でも必要な勝利で、ニューサウスウェールズ州の土地・環境裁判所は、本種の生息地を破壊する可能性のあった開発行為の承認に対する異議申し立てを支持する判決を下したのです。この判決では、キガオミツスイは‘深刻な危機’にあり、ニューサウスウェールズ州のハンター渓谷下流域のハンター経済ゾーン(HEZ)にあるこの種の生息地に鉄鋼工場設備建設の開発申請をセスノック市議会が承認したのは不適切な行為であったと判断されました。

ニューサウスウェールズ州のコミュニティ法律センターEDO(環境保全局)を代表して‘Friends of Tumblebee’がキガオミツスイの生息地の開発による影響を適切に評価するための‘種の影響評価(SIS: Species Impact Statement)が行われるべきだったと主張しました。裁判所はこれに同意し、SIS無しになされた議会の承認は無効であると結論づけました。さらに裁判所は「このエリアの保全はキガオミツスイの長期に亘る生存に不可欠である。生息地の破壊は本種が危険な状態に追いやった最大の原因である。」としました。

キガオミツスイは野生の個体数が350~400羽程度と思われます。

判決はこの決定のためにバードライフが提供したキガオミツスイに関するデータの貢献の大きさも認識しており、私たちのボランティアが毎年この人目につかない種の探索に注ぎ込んだ膨大な努力が実った証でもあるのです。

バードライフ・オーストラリアはキガオミツスイにとってのHEZ(ハンター経済ゾーン)の重要性を十分認識しています。2007/2008年にかけて、最近の十年間で最も大規模な繁殖がHEZ内で記録されました(約20カ所の営巣で100羽)。バードライフ・オーストラリアでキガオミツスイ復活のコーディネーターを務めるDean Ingwersenは次のように言いました。「ハンター渓谷下流域は4ヶ所しか知られていないキガオミツスイの重要地域の一つで、HEZは本種にとって恐らく低地森林の最重要な場所でしょう。本種にとっての最大の脅威は生息地の消失ですから、その保護活動の観点からは今回の判決は常識と言えます。2007/2008年の繁殖の記録に加えて、このサイトは過去10年ニューサウスウェールズ州では一貫してキガオミツスイが利用していた場所の一つで、今後の進行すると思われる乾燥化においては重要な避難場所になりそうです。」

HEZはハンター渓谷では森林が残っている最大の場所の一つですが、2002年3月にニューサウスウェールズ州の政府は最低限の環境調査を行っただけで工業化の目的でこの場所を再区分しました。再区分問題が起きて以後、多くの環境調査によりHEZはキガオミツスイにとって最重要な場所であることだけでなく、絶滅が危惧される多種多様な動植物の生息や生態学的群落が存在していることが分かりました。

ハンター渓谷下流域IBA(IBAは‘鳥を指標とする重要自然環境’)は、HEZのより広範な開発の脅威が理由となり、2014年のバードライフ・オーストラリアが定めた5つの‘危機にあるIBA’の一つと特定されました。バードライフの‘生物多様性プロジェクトのための森林の鳥’のコーディネーターMick Rodericは今回の判決を歓迎して「開発計画は最初から絶滅危惧種への環境上の影響を考慮に入れていませんでした。この判決は、私たちの組織とボランティアが辛抱強く保護活動を行ってきた種、キガオミツスイにとってこれらの森林を失うことは本種を危機に陥れるという長い間持っていた見方を支持するものです。」

判決では大規模開発の中の小規模案件による累積的影響にも承認当局による適切な考慮が必要であると明示しています。

 

報告者: BirdLife Australia

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