インド政府が猛禽類保護協定に署名

アカアシチョウゲンボウなどの猛禽類は新協定の恩恵を受けるでしょう。
写真提供: Ramki Sreenivasan

インドは、アフリカおよびユーラシアにおける渡り性猛禽類保護に関する覚書(猛禽類MOU)に署名をした54番目の国になりました。これは渡り性猛禽類を保護するための重要な国際的な協定です。

この‘猛禽類MOU’への署名はインド首相ナレンドラ・モディにより2015年12月30日に行われた閣僚会議で承認されました。法的拘束力はありませんが、国連環境プログラム(UNEP)の‘移動性野生動物種の保全に関する条約(CMS)’によりまとめられた‘猛禽類MOU’は、猛禽類保護の重要な手段なのです。

「インドが‘猛禽類MOU’の54番目の署名国になったことに対して同国首相と政府を心から祝福します。この協定は渡り性猛禽類のモニタリング、調査、保護にとって大きな前進の一歩です。この協定に定められた義務を達成するために政府を支援出来れば光栄です。」とボンベイ自然史協会(BNHS: インドのバードライフ・パートナー)の理事Deepak Apteは言いました。

1883年に設立されたBNHSは世界最古の自然保護団体で、その長い歴史を通して先駆的な調査と南アジアの絶滅危惧ⅠA類のハゲワシ類やアカアシチョウゲンボウなどの渡り性猛禽類を含む多くの猛禽類の保護を行って来ました。

アジアのハゲワシ類の渡りの状況はほとんどの場合不明確ですが、‘猛禽類MOU’に追加される準備が行われており、ハゲワシ保全の重要な手立てになるでしょう。

2012年11月、バードライフからの重要な情報提供もあり、CMSは初めて決議を採択しましたが(決議 10.10)、それは基本的にフライウェイに沿った保全のための世界的な課題を定めたものです。フライウェイとは鳥が渡りに際して利用するルートのことを言い、しばしば大陸や海洋にまで及んでいます。バードライフは化学肥料、送電線、再生可能エネルギーなどの猛禽類に影響を与える多くの重要問題について効果的な決議が確実に同意されるよう働きたいました。バードライフは‘猛禽類MOU’策定の基礎となる多くの科学的情報を提供し、猛禽類保護のための国家戦略のガイドライン策定に役立てられ、またバードライフの‘渡り性帆翔鳥プロジェクト’と‘猛禽類MOU’はとくに緊密に連携して取り組みを進めています。

 

報告者: Ed Parnell

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