トルコのライチョウを危険に晒す幹線道路の建設を裁判所が阻止

小コーカサス山脈
写真提供: © Ümit Öztürk

10月にご報告した生物多様性重要地域(Key Biodiversity Area, KBA)を通るトルコでの幹線道路建設計画をご記憶でしょうか。トルコの最高裁判所が皮肉にも‘グリーン・ウェイ’と名付けられたこのプロジェクトを中止させたと、同国のバードライフ・パートナーDoğa Derneğiから知らせがありました。

トルコ政府はこの夏に‘グリーン・ウェイ’に関する諸計画を発表しました。トルコの東黒海山脈を通って2,600キロメートル延びるこの開発計画は国際的にも重要な5つの山地の‘生物多様性重要地域’を脅かす可能性があります。

もし計画が進められれば分布域が限られているコーカサスクロライチョウの小コーカサス山脈に生息する個体群は道路建設により深刻な脅威にさらされ、本種の生息域の世界的な減少につながると、Doğa Derneğiは言っています。この開発により危険に晒される植物のうち、111種はトルコ固有種で、そのうちの26種は世界的にも小コーカサス山脈にしか生息していません。更にコーカサス生物多様性ホットスポットに固有の10種の動物も道路建設により脅威に晒されるところでした。

裁判所はこの計画がトルコ環境法の原則に反するものと考え、この‘巨大道路’を法的に支持していた環境・都市化省が策定した6つの県(Ordu, Trabzon, Rize, Giresun, Gümüshane, Artvin)の地域環境マスタープランを取り消しました。

Doğa Derneğiの会長Dicle Tuba Kılıçは、「過去には環境・都市化省が裁判所の決定に従わず、現場での建設工事を認めたケースがたくさんありました。」と言いました。

「私たちは‘グリーン・ウェイ’プロジェクトまでもが同じ道を歩まないことを願っています。このプロジェクトは明らかにコーカサス生物多様性ホットスポットと固有鳥類エリアにおけるこれまでにない最大の脅威の一つで、永久に取り消されるべきものです。」

最高裁判所の決定が効果的で、‘グリーン・ウェイ’プロジェクトの再検討が期待されます。

 

報告者: Finlay Duncan

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