ヨーロッパはアフリカの絶滅危惧野生生物にもっと取り組むことが必要

コシジロハゲワシ
写真提供: © Francesco Veronesi/Flickr

自然保護活動家はアフリカの野生生物の保護を支援する新しいヨーロッパの計画が始まったことを歓迎しています。

この日ブリュッセルで行われたイベントにて、‘象よりも巨大: アフリカの野生生物保護のための戦略的アプローチへの情報提供’という詳細な報告書が提出されます。欧州委員会の開発総局から発表されたこの報告書は、貧困と生物多様性の結びつきを克服することを目的とする、EUで初めてのサブサハラ・アフリカ(サハラ砂漠以南)の全体を統合的に扱う戦略です。

この報告書の制作を支援したバードライフはその推奨事項を前進させることを求めています。

同報告書はアフリカの野生生物と生物多様性が激減している状況を詳細に記述しており、特に欧州とアフリカが共有できる有力なシンボルとして渡り鳥に焦点を当てることを提案しています。

少なくとも20億羽の‘ヨーロッパの鳥’(欧州全体の鳥の4分の1強)が一年の半分以上をアフリカで過ごします。しかし多くの種の未来は不確かで、その一部はこの30年の間に既に80%も個体数が減少しています。

特に農業による生息地喪失に起因する生物多様性の減少は大きな影響を及ぼしており、アフリカの鳥の4分の3に影響すると考えられています。

‘象よりも巨大: アフリカの野生生物保護のためのEUの戦略的アプローチへの情報提供’には密猟や密売によりヨウムやホオジロカンムリヅルなどの種が受けている脅威についても報告されています。

アフリカのハゲワシの個体群も衝撃的な減少に見舞われています。ハゲワシ類には、腐った死骸の分解を助けることで炭疽病、結核、ボツリヌス中毒症などの伝染病から人や家畜や野生生物を守るという重要な役割があります。これがバードライフがこの問題への認識を高めるために新しい‘ハゲワシを愛そう’キャンペーンを始めた理由です。

ケニアではハゲワシが居なくなったことにより死骸の腐敗時間はほぼ3倍になり、腐肉食性哺乳類の数と彼らが死骸のある場所で過ごす時間も3倍になり、病気の感染を速めています。

この事例は野生生物減少への取り組みに失敗する訳にはいかないということを示いています。保護活動が成功した場所では人と生態系サービスへの多くの利益が見られています。

アフリカの生物多様性は同地の開発と人々の生計に密接につながっているので、この戦略における欧州委員会開発協力総局のリーダーシップは重要です。貧困層の人々の生態系への依存度は地域によって様々です。条件が整っていれば、生物多様性の保護は貧困からの脱出と、持続可能でない開発からの離脱の両方につながるルートになるのです。

この報告書を公表する国際協力開発協会の欧州コミッショナーのNeven Mimca は「野生生物保護は、生物多様性の保全、地方の人々の生計手段、広範囲の地域の安定に強い関係がある、包括的アプローチを必要とする複合的な課題なのです。私たちは自然資源と野生生物を保全するためにウィン・ウィンの解決策を策定し、同時に野生生物が豊かな場所で生活する人々の真の利益を生み出し、密猟には断固として取り組まなければなりません。」と言いました。

バードライフのアフリカ地区ディレクターJulius Arinaitwe博士は、「今日の活動開始はアフリカの野生生物が直面している課題に光を当て、EUが自らの提言を確実に実行する重要な機会なのです。バードライフは、特に生計改善活動に支援、投資している多くの地元保護グループと協力関係にある24のアフリカのパートナーと共同で、この報告書の提案に貢献できることを期待しています。」と言いました。

EUの戦略はもっと資金が必要となるでしょう。この戦略が確定した後に十分な資金が得られれば、これは真にアフリカの野生生物種にとって形勢を一変させることができるでしょう。

 

報告者: Finlay Duncan

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