なぜ2015年度サグレス・バードウォッチング・フェスティバルはワクワクするのか?

サグレス・フェスティバルではバードウォッチング、鳥の標識付け、イルカウォッチング、スキューバダイビング、
ハイキング、環境教育ワークショップなどが計画されています。
写真提供: Nuno Barros

関心のない人にとってバードウォッチングは科学者や鳥に魅せられた人たちだけの秘密の趣味のように聞こえるかも知れません。けれどもポルトガルでの‘サグレス・バードウォッチング・フェスティバル+自然活動’など数多くの国際的なバード・フェスティバルが何年もかけてこのような印象を変えようとして来ました。

2015年10月1~4日に開催される第6回フェスティバルはバードウォッチングだけではなく、野鳥への標識付け、イルカウォッチング、ハイキング、環境教育ワークショップなど様々なプログラムが用意され、家族、学生、一時的な自然愛好家など大勢の人たちに参加しやすいものになっています。

欧州全土でのユーロ・バードウォッチ2015の一環であるこのイベントはSPEA(ポルトガルのバードライフ・パートナー)とアルマルジェム協会の協力によりヴィラ・ド・ビスポの当局が企画しています。

ポルトガルの南西に位置するサグレスはバードウォッチングの好適地です。そこには極めて多様な環境があり、海食崖や沿岸マキズ(灌木帯)から農地、森林、砂丘および海そのものから成り立っています。アレンテージョ南西・ヴィセンティーナ海岸自然公園という地理的な位置により、海岸線あるいは沿岸の渓谷に沿って飛ぶ渡り鳥が8月から11月にかけて南への旅を続ける前にサグレスに集まるのです。

この地域はコウノトリ、ワシ類、ハゲワシ、ノスリ、ハヤブサ類のポルトガルにおける主な渡りの回廊です。また多くの海鳥(数千羽のシロカツオドリ、ウミツバメ類、オニミズナギドリ、バレアレスミズナギドリが海岸沿いに通る)、草原に生息する種、スズメ目の鳥を見るのに素晴らしい場所です。これがフェスティバルの日時を10月上旬に定めた戦略的な理由です。この時期には多様な猛禽類が渡りのピークを迎え始め、長距離の渡りを行う海鳥はまだ周辺の海域に止まっており、スズメ目の鳥は渡りの途中で、さらに冬鳥の到着が始まるのです。

長年に亘り、このエリアは他の多くの種に混じってコバシチドリ、イベリアカタシロワシ、クビワカモメ、オジロビタキなどの珍鳥がやって来ることを証明しました。

更に重大な科学的な側面もあります。ここを通過する渡り鳥は経験豊富なバードウォッチャーと科学者が担当している有人のカウント・ステーションで数が記録されます。SPEAによって集計されたこの場所でのカウント数はオランダに設置された今年のカウント・センターに送られ、そこで後日ヨーロッパ全体の渡り鳥の報告書として発行されます。

このイベントの受益者は鳥やバードウォッチャーだけではありません。「このイベントはヴィラ・ド・ビスポをエコ・ツーリズムの重要な目的地として強化するのに貢献しており、国内外からますます多くの観光客を集めています。」とヴィラ・ド・ビスポ当局のAdelino Soaresは言っています。「オフシーズンに行われるこのイニシアティブへの投資は他の月に好影響を与えます。観光客が戻り、フェスティバルの地元のパートナーのサービスを利用するのです。」

報告者: Sanya Khetani-Shah

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