鳥に優しい農業のためのガイドラインが発表された

農薬散布
写真提供: IRRI Photo (Chris Quintana)

持続可能ではない農作業が原因の脅威に取り組み、農業部門の野鳥保護活動を助ける目的で、バードライフが主導するMSB(渡り性飛翔鳥: Migratory Soaring Birds)プロジェクトが鳥に優しい農業開発のためのガイドラインを作りました。

農業は殆どの地域経済でGDP(国内総生産)と雇用に大きく貢献する重要な部門です。また大多数の農村の人たちにとって主な収入源です。多くの国が食の安全を高め、人口の急増による貧困を減らす手段として農業部門の拡大を目指しています。リフト渓谷・紅海フライウェイ沿いのほぼすべての国で農地と灌漑用地の両方が増加しています。けれども、その増加が持続可能な方法で行われないなら、それは公衆衛生と自然保護の犠牲によるものなのです。持続可能な農作業の一環としての飛翔鳥が提供する環境サービスが、無規制の農業の拡大により脅かされています。

農業部門が鳥に及ぼす影響は大きく分けると次の2項目になります。

  1. 農薬に起因するもの: 被毒の危険
  2. 農薬以外の要因(農業の拡大): 生息地の劣化と破壊

農業部門が原因の危険は世界的に注目を集めており、そのために国際コミュニティは、利害関係者が野鳥保護を強化する活動を行うことを支援する対策を取ることを余儀なくされています。例えば被毒リスクの問題はCMS(移動性野生動物種の保全に関する条約)の第11回締結国会議(COP11: 2014年11月エクアドルのキトで開催)で浮き彫りにされ、‘渡り鳥の被毒防止(決議 11.31)’が会議の決議として採択されました。さらに生物多様性条約の愛知目標5と7では、それぞれ、生息地の喪失と劣化の減少、および持続可能な農業管理を求めています。

MSBプロジェクトのガイドライン資料は農業部門の利害関係者がウィン・ウィンの状態を達成するために用いられる有用なツールの一部になるもので、それにより農業の生産性が向上する一方で環境の持続性も確保されます。

ガイダンス資料は2部構成で示され、一つは農薬による被毒リスクに対処するもの、もう一つは農業の拡大による渡り性飛翔鳥への影響に取り組むものです。これらのガイドラインの詳細はバードライフ本部のウェブサイトからダウンロードすることが出来ます。

報告者: Julien.Jreissati

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