太平洋の海鳥と海洋性哺乳動物に吉報―ロシアが流し網漁を禁止

エストニア沖で刺し網漁に掛かったコケワタガモ
(写真提供:Markus Vetemaa)

今週ロシアが自国の海域での大規模な流し網漁を禁止する法律を導入しました。全長32キロにも達する流し網は極東ロシアで各種のサケ・マスを目的に日本とロシアの船団により使われています。

チリ沿岸沖で小規模な刺し網を引き上げる漁師 (写真提供:CG Suazo)

チリ沿岸沖で小規模な刺し網を引き上げる漁師
(写真提供:CG Suazo)

不幸にも、これらの網は多数の海鳥や海洋性哺乳動物も混獲により捕えてしまいます。バードライフによる最新の「世界の刺し網漁による海鳥の混獲:総説」 にはこの地域が刺し網漁による海鳥の混獲が最も多い地域として強調されており、毎年14万羽が殺されていると推定されています。

この数の大多数は巨大な流し網によるものと考えられるので、この禁止はエトピリカ、ハシボソミズナギドリ、ハシブトウミガラスなどの多くの海鳥やイシイルカ、クラカケアザラシ、カマイルカなど様々な海洋性哺乳動物にとっての吉報です。

流し網は刺し網の一種で、‘魚網’という言葉を聞いた時に恐らく皆が思い浮かべるタイプのものです。これらの網はほとんど目に見えないナイロンの網の壁を形成し、これが鰓に絡まって魚を捕えます。流し網は船あるいは他の固定したポイントから水面近くに流されて海を漂います。1991年に公海上での使用は禁止されましたが、他の刺し網と共に領海内での使用は合法とされています。

「ロシアの海域でのこのような大規模な網の禁止は北太平洋の多くの野生生物にとって素晴らしいことで、私たちは海洋性野生生物にこのような厳しい巻き添え被害を伴う漁の停止を支持します。」とバードライフのマリーン・プログラムのヘッドCleo Smallは言いました。

「けれども、海鳥に対する影響は低いけれども、社会的、地域的に非常に重要な小規模の刺し網漁はまだ多く残されています。私たちは今回の停止は必ずしもそれですべて良いというものではないことを承知しています。私たちは世界中で小規模な刺し網漁の漁師と共に、(海鳥の混獲回避に)不可欠な技術的解決策を見つける活動を続けます。」

自由に飛んでいるコケワタガモ (写真提供:Markus Varesuvo)

自由に飛んでいるコケワタガモ
(写真提供:Markus Varesuvo)

効果的な技術上の混獲回避対策が出来上がっているトロール漁や延縄漁とは異なり、刺し網漁にはまだ海鳥の混獲を減らす対策が開発されていません。

毎年世界中で推定40万羽の海鳥が刺し網漁で死んでいることから、私たちはこの問題の解決を目指して多くの最前線での活動を始めました。それには知覚科学者と共同で、水面下では鳥が何を見ているかを調べ、最善の混獲緩和策を考案する活動が含まれており、またリトアニアの漁師と共同で鳥にも漁師にも良い実際的な解決策を見つける活動をしています。

「これは私たちが尻込みしてはならない挑戦です。」とバードライフの世界海洋プログラムの上級政策オフィサーのRory Crawfordは言いました。「バードライフは漁師と協力して延縄漁とトロール漁で大成功を収めました。これからはこの経験を刺し網漁に生かすべき時です。刺し網漁師と協力することにより私たちは海鳥の混獲を減らすことが出来ると私は確信しています。」

刺し網漁による混獲に関する主な事実

  • 刺し網は鳥や動物には見えない
  • 毎年40万羽の海鳥が犠牲になっている
  • 純粋に数字だけで言えば: 刺し網漁の影響を受ける鳥の数はトロール漁や延縄漁よりも多い
  • 刺し網には異なるグループの鳥のほか、多くの海生哺乳類とカメ類も影響を受ける
  • 刺し網漁は漁船団が数多くの広く分散した小型漁船で構成されているため、漁業管理問題の解決が困難である。
  • 我々は今絶滅危惧種を守り普通種を普通に留めておくために刺し網漁による混獲を軽減する技術を試している。

(報告者:ショーン・ハレル)

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