外来植物、侵略的ネズミ、そして漁網

アゾレス諸島
写真提供: (c) Travelling Pooh, Flickr

済み切った水、荒々しい急崖、海洋生物が満ち溢れる活気のある海はポルトガルの本土と沿岸の島から離れた典型的な景色です。それは行楽客やスキューバダイバーの天国のように聞こえますが、同時にある種の海鳥にとっては営巣や採餌を行う完璧な場所です。海鳥はヨーロッパの鳥の仲間としては最も絶滅の危惧がありますが、それでも彼らは今もなおポルトガルのアゾレス、マデイラ、ベルレンガス諸島で繁殖を行っている姿を見ることが出来ます。SPEA(ポルトガルのパートナー)は海鳥が確実に生息できるように多大な活動を行って来ました。彼らはサイトに特有の保全方法がどのように機能するか、またEU野鳥指令と生息地指令の下に作られた欧州最大の保護区のネットワーク、ナチュラ2000が海洋保全のための基盤として役に立つかを示してきました。

ポルトガル本土から僅か6海里(約11,000キロ)離れただけのベルレンガス諸島は当初ウミガラスを保護するために確保されました。しかし、無視されることばかりの歴史のために、本種のために作られた保護区は悲しいことに今では島の過去の一部になっています。この10年以上、ウミガラスの営巣が見られなくなっているのです。他の海鳥が同様の運命を辿ることを止めるために、同諸島は現在SPEAにより運営される‘EU LIFE プロジェクト’の核心なのです。SPEAはベルレンガス諸島を海鳥と固有・在来植物のための自然条件に再生、あるいは少なくとも出来る限りかつての状態に近くするために、出来ることは何でも行っています。

これは外来植物を除去し在来種と植え替えたり、海鳥の卵や雛を食べてしまうことが多いネズミなどの外来種と戦うことを意味します。人工の巣も加えられていますが、これは悪天候、捕食動物、営巣場所を争う他の海鳥から守るので大変効果があります。SPEAは漁業者と共同で鳥が偶発的に漁具に巻き込まれてしまうのを防ぐ方法も探っています。オニミズナギドリ、ヨーロッパヒメウ、そしてクロコシジロウミツバメの‘欧州大陸’個体群などがこれらの活動の恩恵を受けます。野心的な企てに聞こえますが、SPEAには最近終了した類似のプロジェクトがあるので、その達成可能なことを示しました。それは同じポルトガルのアゾレス諸島に属する孤島コルボ島での‘海鳥にとって安全な島’プロジェクトです。これが大成功を収めたので2013年度の‘最善のLIFE 自然プロジェクト’賞を受賞したほどです。

SPEAは壮観なアゾレス諸島のGraciosa小島でも活動を行って来ました。アゾレス諸島は世界で唯一モンテイロウミツバメ(和名未定につき仮称)の見られる場所で、非常に特別な所です。個体数は250~300ペアに過ぎず、アゾレス諸島の2つの小島でのみ繁殖しています。これまでのところこれらのウミツバメは陸上の捕食者からは安全でしたが、ネズミなどの外来哺乳動物が海岸に泳ぎ着き、惨事を引き起こす危険は常にあります。SPEAは今ウミツバメのための行動計画を作成中で、それにより政府は将来に亘っても本種を保護するための然るべき知識とツールを持つでしょう。

恐らくSPEAの古くからの戦いの一つが政府を納得させることです。即ち、微妙な海洋エリアの保全の第一歩はナチュラ2000をSPA(特別保護区)に指定することにより海洋環境まで拡大することです。これまでのところはマデイラSPAとその他少しだけが確立しただけですが、SPEAはこの戦いを諦めてはおらず、ポルトガル政府は間もなく彼らの主張を聞くだろうと楽観視しています。

 (報告者: Nuno Barros)

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