ベトナムの森に新たな希望

今回の新合意の恩恵を受けるアカアシドゥクラングール
写真提供: J C Eames
バードライフの‘Forests of Hope’プログラムは人と自然のために大規模な森林の保全と復元を行うことが目的です。同プログラムは森林の管理と資金調達のための革新的で地元にも適合したアプローチを開発、支援することに的を絞っており、現在世界で19のサイトが対象になっています。今その’Forests of Hope‘サイトの一つで自然保護の見通しの大きな高まりが起きています。
東南アジアで最も生物多様性の豊かなホットスポットの一つ、北・中央ベトナムの低地森林が残される可能性が、森林の保全を目的とする革新的な新合意により高まっています。
2月5日に開催されたセレモニーで、Dong Chau(地名)のKhe Nuoc Trong森林と呼ばれる常緑広葉樹の低地森林768ヘクタールの30年間に亘る環境保全のためのリース契約が、バードライフのベトナムのパートナーであるViet Nature Conservation Centre(独立NGO)のメンバーと、地元のベトナム当局及び環境当局の間で署名されました。これはこの種のパートナーシップ合意としてはベトナムで初めてのものです。
この発表は良いタイミングだったかも知れません。コサンケイはかつては北・中央ベトナムの低地に広く生息していましたが、現在では絶滅危惧IA類に指定され、2000年以降確認されておらず、その生存の見込みが暗い状態です。本種はサオラ(ベトナムレイヨウ:絶滅危惧IA類: ウシ科の森林性アンテロープ)やアカアシドゥクラングール(霊長類:絶滅危惧IB類; 写真参照)と共に北・中央ベトナムに生息する多くの種の一つです。彼らの減少からバードライフの科学者とベトナムの政府職員は、この重要な森林環境に対して違法な伐採や野生動物の輸出のための密猟による圧力が増大していると警告していました。
「30年という契約期間はTruong Son重要生物多様性エリア(KBA)での生物多様性保全を支える上での私たちの長期に亘る関心と約束を示すものです。」とViet Natureの理事Le Trong Trai氏は言いました。
ベトナムで最初の‘Forests of Hope’となったことは、今回の合意がViet Natureとバードライフにとって大きな成果になったことを表すものです。
このプロジェクトはバードライフ(Aage V. Jensen慈善基金および2013年度バードライフ・ガラ・ディナーの資金提供)、IUCNオランダ委員会
および世界ランド・トラストによる資金支援によるものです。
(報告者: マーチン・フォーリー)
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