バードライフ・ブルガリア ロドピ山脈の再自然化を支援

ブルガリア、東ロドピ山脈マジャロヴォのアルダ渓谷上空の航空写真
写真提供:@ Staffan Widstrand - Rewilding Europe
ブルガリアの首都ソフィアの南東に位置するロドピ山脈は地元では‘オルフェウス(ギリシャ神話に登場する吟遊詩人)の山脈’として知られる美しく広大な山地で、伝説の音楽家の生誕地と言われています。伝説によれば彼の音楽は野生の猛獣だけでなく山の岩や森の木までも魅了したそうです。
この美しい景色に触発された伝説を別にしても、これらの山々は有名なピリン、リラ両国立公園に次いでギリシャとブルガリアの山地の広大な自然エリアに生態学的につながっています。この地理的位置が、エリア全体を大きな復元の可能性を持つヨーロッパでも主要な自然のホットスポットの一つにしています。この理由により、ロドピ山脈は‘欧州再自然化’イニシアティブの7番目の再自然化エリアに選ばれました。このイニシアティブは、欧州を、より耐性があり、自然のプロセスを促進する力を持った自然の大陸にしていくことを目的にしています。
BSPB(ブルガリア鳥類保護協会: 同国のバードライフ・パートナー)はこの再自然化プロジェクトに参加します。BSPBの保護ディレクターStoycho Stoychevは再自然化オフィサーのStefan Avramovと共にロドピ山脈再自然化チームのメンバーになり、同山脈の東部10万ヘクタール以上の復元を支援します。チェルノチェネ、マジャロヴォ、Studen Kladenets、Byala Rekaの4地区が主要優先エリアに選ばれ、再自然化活動はここで開始されます。
このようなプロジェクトにBSPBが加わるのは今回が初めてではありません。2009年から2014年にかけて、東部ロドピ山脈でのNew Thracian Gold(NTG)プロジェクトが、BSPBとオランダの自然保護団体ARK Natureを含む自然保護団体の経験を合わせて、自然と生物多様性、有機農業、持続可能なツーリズムの促進のために行われました。NTGプロジェクトから得た経験が2015年以降の新しい再自然化活動に適用されるでしょう。
‘欧州再自然化’プロジェクトの代表者Frans Schepersによれば、このプロジェクトにはおよそ10年を要し、同地域にダマジカ、アカシカ、ウマ、オオカミ、ヒグマ、数種のハゲワシ(クロハゲワシ、エジプトハゲワシ、シロエリハゲワシなど)、多くの猛禽類および絶滅が危惧されるヨーロッパハタリスなどを呼び戻すでしょう。
ロドピ山脈を7番目のエリアとして、‘欧州再自然化’プロジェクトは2022年までに欧州全体で10か所の再自然化エリアの設立を目指す新しい段階に向かいます。

(報告者:バードライフ・ヨーロッパ)

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