2020年生物多様性の国際目標達成にはもっと投資が必要

生物多様性の損失を止めるための目標達成は十分可能ですが、各国政府は自らの約束を守るために、
自然保護に関して言葉を行動に変え、投資のスケールを拡大することにより、
もっと多くのことを行う必要があります。

サイエンス誌に発表された新しい研究が、若干の進展は見られるものの、国際的に合意されている2020年生物多様性目標を達成するためにはもっと多くのことを行う必要があることを明らかにしました。

生態系と生物多様性は人の生活を維持するために欠くことが出来ません。このことを認識して2010年に193の国が‘生物多様性愛知目標’として知られている20の生物多様性に関連する目標に合意しました。

2020年の期限の中間に当たるこの時期に、バードライフを含む30の研究機関からの51人の専門家から成るチームが‘生物多様性愛知目標’に向かっての進展度を査定し、その達成の可能性について予測をしました。それによれば、管理努力の増加や生物多様性を守るための財政的投資の増加、更には陸上と海における保護地域の著しい拡大が行われているにもかかわらず、これまでに累積し、あるいは増加している自然界への圧力は、もし私たちが現在の軌跡をこのまま辿れば2020年までに目標の大部分が達成出来そうもないことを明らかにしています。

‘生物多様性愛知目標’に向かっての進展度を査定するに当たって、専門家は世界的な底引き網漁の影響、外来種管理の取り組み、財政的投資および生物多様性についての一般の理解度など広範囲な生物多様性に関するデータと人についての指標を使いました。その上で彼らは2020年における生物多様性の状況を査定するためにこれらの傾向の結果を予測しました。

「‘生物多様性愛知目標’は生物多様性を守るための最も重要な国際公約です。」とサイエンス誌の論文の主筆者で、国連環境プログラム世界自然保護モニタリング・センターの上級海洋生物多様性科学者で、ダルハウジー大学(カナダ)の非常勤教授のDerek Tittensorは言っています。「けれども、私たちが行った予測によれば、今やっている管理や政策努力が与える影響は、生物多様性の減少を止め、2020年までに目標の大部分を達成するには不十分です。」

「バードライフ・パートナーシップにより鳥類から得たデータは20の愛知ターゲットに対する進展度を査定するために用いられた指標の5分の1を占めます。」とバードライフの科学部門のヘッドで論文の共著者のStuart Butchart博士は言いました。

「これらのデータは私たちが愛知ターゲットを達成するための軌道に乗っていないことを示します。各国政府は自然保護についての言葉を行動に変え、投資のスケールを拡大することにより、自らの約束を守るためにもっと多くのことを行う必要があります。」

サイエンス誌の論文に示されたように、生物多様性への圧力増大は状況が悪化していることを示唆しています。自然資源の消費は増加しています。湿地やサンゴ礁の減少は大規模な環境損失が起きていることの表れです。このままでは自然環境の消失率を半減し、魚資源を持続可能な範囲で収穫するという‘生物多様性愛知目標’は達成できないでしょう。しかしこのような結果を変える時間はまだ十分にあります。

「‘生物多様性愛知目標’はまだ手の届く範囲にあります。」と生物多様性条約事務局の事務総長Braulio Ferreira de Souza Dias博士は言っています。

「私たちには生物多様性損失を止めたり、遅らせたりする政策努力による数多くの成功例があります。この研究はこのような活動がもっと広範囲に行われるべきであるという警鐘の役割を果たすでしょう。」

個々の目標についてはかなりの進展が見られます。森林と漁業に対する認証制度はより広範囲で行われるようになりました。政策的介入により、幾つかの地域で森林破壊を減らし、漁業資源の管理を好転させました。また生物多様性に対する一般の人たちの関心も高まっています。生物多様性の危機に対処するための財政的資源も利用可能になりつつありますが、全てのターゲットを満たすためにはより多額の投資が必要です。

この研究の結果は、生物多様性の現状と傾向に関する世界的査定の‘生物多様性の世界的展望’第4版(GBO-4)に加わります。GBO-4は韓国の平昌で開催される生物多様性条約締結国会議の期間中の10月6日に発表されます。この会議では‘生物多様性愛知目標’を達成し、生物多様性を守るために必要な活動と新しい解決策が討議される予定です。

(報告者:エイドリアン・ロング)

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