絶滅危惧ⅠA類のマスカリンミズナギドリが海上で発見され、卵を孕んでいる珍しい写真が撮影された

明らかに体内に卵を持つメスのマスカリンミズナギドリ
写真提供:Hadoram Shirihai/Tubenoses project

絶滅危惧ⅠA類のマスカリンミズナギドリを海上で見つけるための調査旅行が、世界でもほとんど知られていないこの鳥に関する新情報を持ち帰りました。信じられないことに、彼らは下腹部に卵による明らかな出っ張りのあるメスの写真を撮ったのです。

これは体内に卵を孕んでいる鳥の飛行中の写真が撮影された最初のものと考えられています。

今回の観察は本種の繁殖期についての新しい知見をもたらし、現在世界で唯一知られている本種の繁殖地であるレユニオン島(マダガスカル東方のインド洋上の島。フランスの海外領土)への今後の調査を助けるでしょう。

この見つけにくいミズナギドリの調査報告は‘英国鳥類学者会報’の最新号に掲載されています。33羽のマスカリンミズナギドリが観察され、そのうちの12羽の写真が撮られました。本種の飛翔、習性、多種との詳しい比較なども初めて記載されています。

卵を抱いたメスを最初に見つけた時の写真 写真提供:Hadoram Shirihai/Tubenoses project

卵を抱いたメスを最初に見つけた時の写真
写真提供:Hadoram Shirihai/Tubenoses project

論文の著者Hadoram Shirihaiは次のように言いました。「レユニオン島を遠くに見て、ピンク・オレンジ色の夕陽を背景に、私はカメラのファインダーに1羽のミズナギドリを捕えました。ほぼ同時に私は腹部の出っ張りになっている卵の輪郭を見つけました。私は他の調査メンバーに“卵を抱いている、卵を抱いている!”と呼びかけました。マスカリンミズナギドリは船の近くまで飛んで来てくれたので日没の直前にこの特別の写真を撮るチャンスがあったのです。彼女はこの後1時間以内に卵を産み、この絶滅危惧種の未来の生き残りに貢献することを考えると、正に魔法のような一瞬でした。」

論文の共著者Tony Pymは言いました。「これらの写真は海上で撮影されたマスカリンミズナギドリの初めてのものです。これまでの写真は繁殖地のレユニオン島で地上に居る鳥を人工照明の下で撮影したものだけです。」

「マスカリンミズナギドリはほんの数十の繁殖ペアが海上で記録されているだけなので、実際にはもっと個体数は多く、島のどこかにまだ知られていないコロニーがあって、少なくとも現時点ではそれにより本種の未来が確保されていることを示唆する推定があります。」と共著者のVincent Bretagnolleは言いました。

バードライフのRoger Saffordは「このエキサイティングな発見はほとんど知られていない絶滅危惧種の海鳥に関する重要な情報をもたらすでしょう。発見者たちの熱意は祝されるべきです。彼らの発見は偶然ではなく、注意深い計画と調査の賜物なのです。」と言いました。

マスカリンミズナギドリはIUCNのレッドリストで絶滅危惧ⅠA類に分類されていますが、それは繁殖個体数が極めて少なく、捕食と灯台の光に誘引される死による減少が続いていると想定されているためです。

12羽のマスカリンミズナギドリが撮影されました。 写真提供:Hadoram Shirihai/Tubenoses project

12羽のマスカリンミズナギドリが撮影されました。
写真提供:Hadoram Shirihai/Tubenoses project

「マスカリンミズナギドリのような絶滅危惧ⅠA類の種の殆どにまだ生き残る希望があります。」とバードライフの‘絶滅阻止プログラム’のマネージャーのSaffordは付言しました。「バードライフとそのパートナーは世界で最も危惧される種を絶滅から救うために活動しています。健全な科学に裏打ちされた正しい保護活動により、私たちは多くの種の個体数と運命を改善して来たのです。」

「マスカリンミズナギドリはレユニオン島での直接的な保護活動の恩恵を受けることになっています。レユニオン国立公園当局はこの鳥への脅威を減らし保護活動を進めるための今年度のEU LIFE+プロジェクトからの資金を与えられました。これにはSEORなどの地元の自然保護団体との現場での活動が含まれています。

(報告者:エイドリアン・ロング)

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