新種に認められたデセルタスミズナギドリが欧州での保護活動の課題の一つになった: 我々はその用意が出来ているか?

デセルタスミズナギドリ(Decertas Petrel: 和名未定につき仮称)
写真提供:Iván Ramírez

2014年度鳥類レッドリスト更新版が、絶滅危惧Ⅱ類に分類される新しいヨーロッパの鳥デセルタスミズナギドリを誕生させました。

初めてデセルタスミズナギドリについて聞いた時、私がしたかったのはBugioのピークに登り、この奇妙な小さな友達を自分の目で見ることが全てでした。Bugioはポルトガル領マデイラ群島のデセルタス諸島の一つで、デセルタスミズナギドリはここで繁殖しています。

IMG_0088ピークに登っている間私が知らなかったのは、Bugioが忘れることのできないような素晴らしい野生生物の経験を提供してくれることでした: 赤い岩肌の崖は海抜342mの台地に導き、そこには数百羽の海鳥以外には樹木も灌木もありません。鳥たちは日中は海に出ているか、深い巣穴を守っているために、夜にしかその姿を見ることが出来ませんでした。その時私たちは日中に巣穴の中を見ることが出来る巣穴用のスコープを持っていませんでした。

これは2003年のことで、当時私たちはBugioに生息するミズナギドリをケープ・ベルデで繁殖する通称“Fea’s Petrel”と同一種と考えていました。

2014年度レッドリスト更新版ではBugioコロニーの鳥をデセルタスミズナギドリの名称による別種として公式に取り扱っています。この決定はバードライフを始め他の世界的に著名な多くの科学者が永年を掛けて集めた信頼に足る科学的データ、特に遺伝子研究を基盤にしており、HBW社とバードライフの共同新刊書‘図解 世界の鳥のチェックリスト’にも概要が示されています。

今年の更新版には361の新種と4,000を超える種の見直しが含まれています。また更新版では海鳥が世界の鳥の中でも最も危惧される種であることを伝えており、デセルタスミズナギドリも例外ではありません: デセルタスミズナギドリは新種と認定されると直ちに‘絶滅危惧Ⅱ類’に評価されました。もし私たちが現在本種に影響を与えている生息地の悪化や攪乱などの脅威をなくすことが出来なければ、本種の個体数の少なさから言って短期間のうちに‘絶滅危惧ⅠA類’になってしまうでしょう。

バードライフは‘IUCNの絶滅危惧種のレッドリスト’改訂版の鳥類の部に対するレッドリスト決定機関で、保護活動を最も必要とする種の正式な概説を提供しています。2014年更新版はバードライフ・パートナーシップが実地での保護活動を見直し、デセルタスミズナギドリのように緊急な対策が必要な種を守る際の助けになるでしょう。

(報告者:エロディー・カンタルーブ)

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