規則が有効に働いた: 保護法が東ヨーロッパの鳥のためになった

ヨーロッパコマドリ
写真提供:Daragh Owens

新しい科学的調査による証拠で鳥の法律による保護が正に有効なことが確認されました。東ヨーロッパに重点を置いたこの研究によれば、保護対象種の減少率は保護が開始された後ではおよそ半分になったことを示しています。主要な科学雑誌’Biological Conservation’に発表されたこの研究はチェコ共和国とドイツ生物多様性・気候調査センターの科学者が主導し、バードライフを含む欧州全域の専門家が加わりました。

20世期には多くの鳥が開発行為、土地利用の変化、気候変動、外来種の侵入などにより大きく減少してしまいました。これに対して、政策立案者は開発や生息地の破壊を制限することにより種を保護するための法律を導入しました。このような規制の導入には財政やその他の影響があることから、保護活動が本当に保護対象種のためになっているかどうかを確認することが重要です。

今回の研究は306の鳥種について1970~1990年と1990~2000年の期間における個体数の傾向データを使って、東ヨーロッパに重点を置いて調べたものです(西ヨーロッパとアメリカ合衆国についてはこれまでの研究で鳥を保護することの有効性が分かっている)。バードライフは1970~1990年と1990~2000年をカバーする欧州全体での鳥の個体数の状況に関する2つの総合アセスメントにより、鳥の種ごとの個体数トレンドのデータを提供しました。偶然にも、この2つの時期は共産主義の崩壊と東ヨーロッパの多くの国で現代的な環境法が確立された時期を画するもので、その結果、前期(保護法普及‘以前’)の傾向を後期(保護普及‘以後’)と比較することが出来たのです。

研究は1990年以後、保護対象種のトレンドは非保護種よりも改善が見られ、国による法規制は保護種の減少を防ぐ助けとなったことが示唆されるという結論を出しています。地域全体を通して、1970~1990年の期間では保護対象種の方が非対象種よりも個体数にマイナスの傾向がありましたが、1990~2000年の期間では両グループの個体数が類似のトレンドを示しました。このことは、保護対象種の個体数トレンドは第2期に改善された一方、非対象種は両期間を通じて同様の傾向だったことを意味します。保護対象種の個体数減少率は保護対策が取られて以後ほぼ半減したのです。

特に保護対象種の個体数トレンドは‘狭い’、‘深い’保護を行っている国において大きく改善しました。種全体の50%以下に適用される‘狭い’、‘深い’保護(限られた絶滅危惧種などに資金を集中して投入する方法)は東欧10カ国のうちの5か国(ベルラーシ、チェコ、ラトビア、モルドバ、ウクライナ)で行われています。これに対して、残りの5か国(クロアチア、エストニア、ハンガリー、ポーランド、スロバキア)では、種全体の80%以上に対して幅広い代わりに小額の、‘広く’、‘浅い’保護が適用されました。後者の5カ国では非保護種の個体数トレンドが悪化しました。1970~1990年の好ましいトレンドが1990~2000年にはマイナスのトレンドになったのです。

明らかに鳥の個体数は法律とは関係のない多くの要因(気候変動から種そのものに内因する形質まで)に従っていますが、論文の共著者バードライフの世界科学コーディネーターのイアン・バーフィールドは次のように強調しました。「保護と個体数トレンドの良好な関係は種の保護活動が機能することを強く示すものです。多くの種を守るための‘広く’、‘浅い’対策を、希少種や絶滅危惧種を回復するための‘狭く’、‘深い’対策と結び付けることが鳥の健全な個体数を確保するための最も効果的な戦略でしょう。」

バードライフの欧州保護活動のヘッドのIván Ramírezはこれに付言して「私たちは‘EU野鳥指令’のお蔭で西ヨーロッパではこの保護モデルが有効なことを示しています。けれども、非常に多くの欧州大陸の生物多様性が残されている東ヨーロッパでも今回の研究が確認されれば大きな励みになります。」と言いました。

今回の研究は1990~2000年の期間においても、保護対象種、非保護種共に合計ではマイナスのトレンドだったことを示し、それ故、新たに導入された法律は鳥の保護の助けにはなりましたが、全体的な減少傾向を逆転させるには不十分であることを示唆しています。この研究で明らかにされたパターンが維持され続け、欧州が2020年までに生物多様性と生態系サービスの喪失を止めるという目標を達成するための軌道に乗っているかどうかを見定めるのは興味深いところです。これらの洞察は欧州の鳥の個体数状況の第3回総合アセスメントにより提供される予定ですが、このアセスメントは現在バードライフが欧州委員会との契約の下で照合された最新のデータを使って作成中です。その結果の‘欧州レッド・リストの鳥’は2015年に刊行される予定です。

(報告者:エロディー・カンタルーブ)

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