バードライフ・フィンランド 絶滅危惧種についての法廷闘争で勝訴

コオリガモ ♂ 非繁殖期
写真提供:Ken Kinsella

コオリガモは世界的に絶滅危惧種に分類されている種です(注: 日本では未指定)。フィンランド南部では2011年に本種の春季の狩猟が認められ、その個体群の生き残りが一層危惧されています。バードライフ・フィンランドとその地元のメンバー団体がコオリガモ保護のために活動しており、フィンランドの最高行政裁判所に不服の申し立てを行いました。この申し立ては同裁判所が春季の狩猟許可は違法であるとしたことにより成功しました。

判決はコオリガモの保護状態が不十分であることと、本種は同地方に秋季にも生息していることから春季の狩猟に対する十分な代替策があるという事実に基づいています。

不服申し立てにはNGOによるかなりの活動が必要でした。不服申立書は相当に長いものになり、数多くの専門家の声明、船による探索調査、野鳥調査ステーションでボランティアにより集められた長期にわたるモニタリング・データによる裏付けがありました。近隣のバードライフ・エストニアが行ったコオリガモの個体数調査の結果も本種の個体数が大幅に減っていることを証明する助けとなりました。

北ヨーロッパと西シベリアで繁殖したコオリガモの大多数はバルチック海で越冬します。彼らは春と秋の渡りの時期にフィンランドの沿岸部にやって来ます。フィンランドで春の渡りの時期にコオリガモの身に起きることは本種のユーラシアの全個体数に影響を及ぼすのです。

バードライフ・パートナーシップはフィンランドの裁判所が下した前向きな判決がコオリガモをフィンランドだけでなく同種が渡りで訪れる全ての場所で保護する上での助けになることを願っています。

(報告者:レベッカ・ランガー)

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