「ヨルダンの鳥の現状」報告書が発表された

「ヨルダンの鳥の現状」報告書が12月9日にアンマンで行われたセレモニーで発表されました。

王室自然保護協会(RSCN: ヨルダンのバードライフ・パートナー)が同国の鳥類相の現状についての重要な報告書を発表しました。「ヨルダンの鳥の現状」と題されたこの刊行物は、現在の鳥の個体群、彼らが面している脅威、彼らを守るために行われている保護活動の詳細にわたる評価を提供します。

この報告書はRSCNの会長で最近バードライフの会長に選出されたKhaled Anis Irani氏出席のアンマンで行われたセレモニーで公式に発表されました。これはメディアの注目を大いに集め、数多くの現地の新聞で報じられました。

どちらかと言えば面積は小さいのですが、ヨルダンは生物多様性の豊かな国で、430種を超える鳥が生息しています。ヨーロッパとアジアをアフリカ大陸とつなぐ渡りのルート上に位置する同国は、鳥類相のほぼ80%がここを通過する渡り鳥で構成されています。ヨルダンは多くの世界的な絶滅危惧種の生息地で、その中でもシリアセリン(スズメ目アトリ科)が最も注目されます。IUCNのレッド・リストで絶滅危惧Ⅱ類とされているこのカナリアのような小鳥の世界の個体数の大部分(約80%)がヨルダンで繁殖しています。

残念ながら、最近行われたヨルダンの‘IBA’(重要生息環境)のアセスメントによれば、全てのIBAが脅威を受けて居り、それぞれのサイトで少なくとも一つの重大で長期的な危機が報告されています。その中でも特に同国の湿地が危険に晒されています。例えばAzrag IBAはかつてはアラビア半島北部の主要なオアシスとして知られていましたが、集中的な水の採取の結果、一世紀前の広さに比べ10%以下に縮小しました。

それ故、この報告書がタイムリーに発行されたことがヨルダンの鳥と生物多様性の将来に関心を持つ全ての人たちの心に警鐘を鳴らし、この国の素晴らしい自然遺産を守るための活動を活気づける助けになることが望まれています。

報告者:Tris Allinson

 

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