欧州議会、‘食糧vs燃料’の投票で混乱

9月11日、欧州議会はバイオ燃料に関する法案への投票を行いました。バイオ燃料とは、バイオマスから作られる運輸用の液体燃料のことです。バイオ燃料は運輸で排出されるCO2を制限するための解決策の一つですが、同時にリスクもあります。予防対策がなければ現在食糧生産に利用されている土地や森林地帯がバイオ燃料用作物のための土地に変わるという馬鹿げたシステムに変化するのです。これは私たちの食の安全を脅かすだけでなく、CO2が減少するのではなく、むしろ増加しうることから逆効果でもあります。

‘気候パッケージ’の中でEU(欧州連合)は2020年までに運輸に使用されるあらゆる燃料の10%は再生可能な資源由来のものにするという約束をしています。この目標をより安く、より早く達成する方法がバイオ燃料の利用増なのです。もし政策が適切でなければ燃料用作物が燃料需要を満たすために増加し、食糧用作物と土地を争うことになるでしょう。土地への需要増により、食糧および燃料用作物を作っている農家は森林など現在CO2を留めている土地の利用を始めるでしょう。食糧価格は、森林伐採により解放されるCO2排出量と同様に高騰するでしょう。EUのバイオ燃料政策にとって、その目標である運輸によるCO2排出減少を達成するため、上記に述べた意図せざる土地利用の置換(いわゆる‘間接的土地利用の変化: ILUC’)は適切に把握されねばならず、燃料用作物生育のための土地利用率は食糧生産を脅かさない範囲に止めねばなりません。

欧州議会の投票に一週間先立って、バードライフ・ヨーロッパは他のNGOと共に、‘バイオ燃料についての議論’を開催し、欧州議会の環境委員会でバイオ燃料に関する法制作業を主導している議員のIsmail ErtugとCorinne Lepageもこれを共催しました。このイベントに参加した利害関係者で、インドネシアとシエラレオネの代表が、欧州の燃料産業の利益のために、自国民の食糧生産に必要な土地に替えて燃料用作物を生育することにより引き起こされる有害な影響について説明しました。

9月11日の投票結果は少なからず期待外れなものでした。欧州議会は現在の欧州における運輸でのバイオ燃料の消費を超える燃料生産のための土地利用率に上限を設けました。しかしこの上限は単なる見せかけです。それはEUの食糧生産と森林を守るために必要なバイオ燃料生産の拡大を制限するものではありません。また同議会は温室効果ガスについてバイオ燃料の生産を統制する二つの法文のうちの一つを導入しただけでした。その結果この処置は弱くほとんど効果のないものになりました。

欧州議会は現在までにバイオ燃料について委員会との交渉を始めていなければなりませんでしたが、議会内の保守的勢力が2回目の審議を求めています。これは法案の文言が議会全体でもう一度見直しされる可能性があることを意味し、それは議員にとって不同意の事項は変更される可能性があるということです。この2回目の審議はバイオ燃料業界および非常に進歩的な文言を後退的な文書に替えようとする既得権益にのみ尽くす保守的な議員に利することは明らかです。

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