パークス・カナダ海鳥の島嶼IBAからのネズミの駆除を狙う

ハイダ・グアイ列島には海鳥の繁殖個体群により
認められている多数のIBAがあります。
写真提供:Parks Canada

二つの小島で実験的に行われた外来種の駆除に続き、パークス・カナダのスタッフが、グアイ・ハアナス国立公園保護区北部とブリティッシュコロンビア州沿岸沖の列島のハイダ遺産サイトにある二つの重要な海鳥繁殖の島からネズミを駆除する活動を行っています。

殺鼠剤入りのネズミの餌がヘリコプターから島に撒かれていますが、この方法は最初ニュージーランドで開発され、その後、バードライフでも南太平洋の海鳥が繁殖する島々を復活するために採用しています。

ハイダ・グアイ列島には海鳥の繁殖個体群が確認されている多くのIBA(重要生息環境)があります。9つのIBAの一部地域または全体がグアイ・ハアナス国立公園保護区、海洋保護地域およびハイダ遺産サイトにより保全されています。

「世界のウミスズメの半数がハイダ・グアイで繁殖し、そのうちのおよそ半数がグアイ・ハアナス国立公園保護区で繁殖します。」とパークス・カナダのこのプロジェクト・マネージャーのローリー・ウェインは言いました。

殺鼠剤入りの餌がヘリコプターから落とされているところ

殺鼠剤入りの餌がヘリコプターから落とされているところ

このプロジェクトの対象とされている二つの島のうちの一つマーチソン島はラムゼー・北フアン・ペレス・サウンド島IBAにあり、ここはアメリカウミスズメの個体群が居ることによりIBAの基準を満たしています。

ウミスズメは北アメリカで個体数が減少しており、世界的にも減少していると考えられていますが、その理由は外来種、特にネズミによる捕食によるものです。

パークス・カナダはハイダ・ネイションと共同でネズミの駆除作業を進めています。

「ハイダ・グアイの森林に覆われた島々の多くにネズミが侵入したと言うことは海鳥の繁殖コロニーの幾つかが消滅したことを意味します。」とハイダ・ネイションの長ピーター・ランティンは言いました。「特に危険な種はウミスズメです。ウミスズメはかつては住民にとって重要な食糧源でした。」

パークス・カナダの代表者たちは首都オタワで開催された2013年バードライフ・世界大会に出席し、島における彼らの活動について話しました。

「ネーチャー・カナダ(カナダのバードライフ・共同パートナー)はこれらの世界的に重要な野鳥生息地の再生活動でのパークス・カナダのリーダーシップを称賛します。」とネーチャー・カナダの上級自然保護官のステファン・ネーゼルは言いました。「ハイダ・グアイ周辺の沿岸地域は海鳥にとっての世界的なホットスポットで、島からネズミを駆除する活動はこれらの島々の生態学的一体性を再生するための第一歩です。」

18世紀と19世紀に船により持ち込まれたネズミは卵や雛を食べてしまい、また他の地上および穴に巣を作るウミスズメ類の親鳥も襲います。ラムゼー島はラムゼー・北フアン・ペレス・サウンド島IBAで最大で最重要な海鳥の繁殖地です。しかし、島々にネズミが残っている限り、近くの島から偶発的にネズミが侵入する危険が常にあるのです。

「外来の捕食動物はウミスズメ類やウミツバメ類などの地上にコロニーを作って営巣する海鳥への主な脅威です。」とバード・スタディ・カナダ(カナダの共同パートナー)の国家プログラム・ディレクターでCOSEWIC(カナダ絶滅危惧野生生物の状況委員会)の鳥類部門サブ委員会の共同議長ジョン・マッククラッケンは言いました。「バード・スタディ・カナダはパークス・カナダとハイダ・ネーションによるハイダ・グアイの島からネズミを駆除することにより海鳥を守る活動を強力に支援します。」

絶滅危惧IB類のマダラウミスズメ、コシジロウミツバメ、ハイイロウミツバメ、クロミヤコドリの個体群もネズミが居なくなれば回復することが期待されています。

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