カリブ海の海鳥保護: 新しい研究が始まる!

アメリカグンカンドリのコロニー英領アンギラ・ドッグ島
写真提供:Tom Aveling

英国の海外領アンギラと英領バージン諸島(BVI)でカリブ海に生息する様々な海鳥の重要採餌地域を確認するための2年計画の研究が始まりました。この研究はGPS(全地球測位システム)の技術を用いてアンギラのドッグ島でカツオドリ、セグロアジサシ、アメリカグンカンドリの、またBVIのグレート・トバゴIBAでアメリカグンカンドリの衛星追跡調査を行います。今回の研究は2012年に行ったテスト調査に続くもので、その時にはドッグ島での20羽のカツオドリの追跡調査で彼らが最長300kmの周遊飛行をしているのが分かりました。

ドッグ島はIBA(重要生息環境)の一つで、カリブ海で2番目に重要な海鳥のサイトで、僅か2平方キロメートルの広さにもかかわらず4つの世界的に重要な個体群が生息しています(世界の個体数の1%以上)。ドッグ島とグレート・トバゴにはカリブ地域にある4つのアメリカグンカンドリのコロニーのうちの2つがあります。2012年にグレート・トバゴのコロニーで60羽がモノフィラメントの釣り糸に絡まって死んでいるのが記録されました。王立鳥類保護協会(RSPB:英国のパートナー)の支援を得て地元のパートナーが島の樹木に絡まっている釣り糸を取り外しており、追跡調査により鳥がどこで釣り糸に遭遇するのかを特定し、解決策を調べる助けになることが期待されています。

この研究はこれらの種の採餌の生態に関する新情報を提供し、重要な採餌地域を特定し、この地域における海洋計画に情報をもたらすでしょう。アンギラとBVIの海鳥に対する潜在的な脅威も明らかにされ、地元のパートナーと共に長期の海鳥モニタリング計画が策定されるでしょう。

報告者:David Wege

 

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