鳥は地球が危機的状態にあることを示しているが、その保護活動に資金を投入することは経済的に意味がある

世界中で鳥が減っていることは、人も含むすべての生物に影響を与える環境が世界的規模で急速に悪化している証拠を示すものです。けれども、鳥は人の未来を守るのに必要な投資額としては比較的少ない金額で地球を救うことができることも伝えてくれます。

これは世界最大の自然保護団体のパートナーシップであるバードライフ・インターナショナルが発行した新しい報告書‘世界の鳥の現状―変化する世界のインジケーター’に書かれたメッセージです。バードライフはこの報告書と、人と自然が共生する生物多様性の豊かな世界に対するビジョンを発表するためにカナダのオタワに集まりました。

世界の鳥の状況は、多くの種が絶滅に向かい、あるいは急速に数を減らして悪化が続いています。鳥は多くの分野で脅威に直面していますが、中でも農業の変化による環境破壊と劣化、および、外来種による直接の影響が主要因です。一方、鳥は私たちが自然界全体を見ることのできるレンズの役割も果たしてくれます。

「鳥は正確で読み解きやすい環境のバロメーターです。それは私たちの現在の生活方法が世界の生物多様性に与えている圧力をはっきりと示してくれるのです。」とバードライフの科学・情報・政策担当理事のレオン・ベナン博士は言いました。

バードライフ・インターナショナルは自然にとって最重要な場所を特定しました。これらの場所はIBA(鳥を指標とする重要自然環境)と呼ばれています。既に12,000ヶ所以上が公式に文書化されており、最近は海洋環境におけるIBAの特定に主な作業が向かっています。

私たちは自然にとって最重要な場所がどこにあるかを知っており、これらをIBAと呼んでいます。

私たちは自然にとって最重要な場所がどこにあるかを知っており、これらをIBAと呼んでいます。

IBAは系統的に定めた、生物多様性にとって重要なサイトの世界最大のネットワークですが、それでも既存の自然保護区として完全にカバーされているのはそのうちの28%に過ぎません。すべてのIBAを効率的に保全し管理するには年間578億米ドル掛かるでしょう。すべての野生生物の絶滅危惧種の状況を改善するために掛かる活動費用と合わせると、自然を守るためには800億米ドルが必要であると見積もられています。

「この合計額は巨大に聞こえるかも知れませんが、政府の予算という観点から見れば少額で、しかも、これは自然保護のための請求書ではなく投資だと考えるべきです。自然を守ることは、気候変動の緩和から穀物の受粉まで、人々がサービスや利益の形で受ける見返りがあるので経済的にも意味があるのです。」とバードライフの科学部門のヘッドであるスチュアート・バッチャート博士は言いました。

「もっと根本的にいえば生物多様性は私たちの地球の生命支援システムを支えているのです。生き残り繁栄するために私たちはこれを大切にしなければなりません。」

バードライフの報告書には自然保護活動が有効に働いているという肯定的なメッセージが記されています。脅威に対して集中的に取り組みが行われている所では保護が成功しているのです。種が目を見張るばかりに絶滅の淵から蘇り、劣化した環境が再生された例もあるのです。

「効果的な自然保護活動は採算が合い有効です。今やこれを実現すべき時です。その結果は、あらゆる面でより豊かで健康的は世界になるということでしょう。また多様性と美しさを保ったものになるでしょう。」とベナン博士は締めくくりました。

報告者:Martin Fowlie

 

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