チョコレートを食べて熱帯雨林を守ろう!

農民に持続可能なココアの栽培を委託するゴラ・ココア・チームのメンバー 写真提供: © R Anstead / Twin

信じられないくらい素敵な話ではないでしょうか?これは、ココアの力を借りて、シエラレオネにおける森林伐採と資源開発を阻止するプロジェクトなのです。

Gbessay Sannoh Bockerie Samaは、サイチョウの叫び声と葉に覆われたココアの木に囲まれた薄暗い熱帯雨林の中に立っていました。そこは、シエラレオネのゴラ熱帯雨林の端、地元の小規模農家のGoleagorbuにより育てられてきた数世代にわたる数千本ものココアの木が生育する場所です。雑談し冗談を言いながら、彼らはなめらかな取っ手のついた木製の棍棒で大きな黄金色のココアの殻を叩き割ります。

殻の中には、白い歯が列になっているように見えるものが現れます。これがココアの甘い粘液で、次にそれはその下にある戦利品であるココア豆を取り出すためにベタベタした手で取り除かれます。次にココア豆は編み籠か木製の箱に移され、バナナの葉で覆われ、発酵に委ねられて糖分を放出し、最後に美味しいチョコレートになるのです。

ところが最近までこのエリアに住む24,000人の農民は、チョコレートが何であるかも知らなかったのです。かつて彼らのココアは、バルク商品のサプライ・チェーンで輸出されていました。それは、彼らがこの豆が最後にどういう商品になるか全く知らず、またこの贅沢な趣向品を味わったことがなかったことを意味します(彼らは板チョコ価格の3-6%ぐらいは得ていたでしょう)。そして、それだけでなく、そのココア生産は持続可能なものではなく、熱帯雨林の壊滅的な消失の原因になっていました。

高地ギニア熱帯雨林(世界の最貧国の二つリベリアとシエラレオネに接する)には、かつて多くの野生生物が生息していました。この緑豊かな森からの搾取は集約農業(ココアのような換金作物を含む)、採鉱、木材切り出しにより広大な土地の喪失を招き、森林に依存している人々は言うに及ばず、コビトカバやチンパンジー(共に絶滅危惧ⅠB類)やハゲチメドリ(絶滅危惧Ⅱ類)などの種に深刻な脅威を与えます。

ハゲチメドリの生存はゴラ熱帯雨林の状況次第です。
写真提供: © Michael Andersen

しかし最大の残存林には、主要な保全活動である、ゴラ熱帯雨林国立公園(GRNP)もあるのです。この公園はシエラレオネ自然保護協会(同国のパートナー)、シエラレオネ政府、バードライフ、RSPB(英国のパートナー)および14万人のゴラ森林の周辺住民のパートナーシップにより7年前に設立されました。ゴラ熱帯雨林の保全は、どのようにして周辺住民にとって深刻な問題になったのでしょうか?解決策のひとつがカカオにあります。

森林伐採を伴わないチョコレート作りは、神話でしょうか?世界の多くの場所で持続可能なココア生産への投資が不足しています。これは高い貧困率を永続させるだけでなく、農民が生活のためにココア栽培用の焼き畑農業を拡大させることで、熱帯雨林の消失を進めています。これはより集約的で直射日光下での植林を可能にする太陽に耐性のあるハイブリッド・ココアの開発と共に、主な西アフリカのココア生産国で1988年から2007年の間に推定230万ヘクタールの熱帯雨林の伐採という深刻な事態を招きました。そして、この事態を招いているのが私たちの「チョコレート好き」なのです。

そこで2015年、私たちはゴラ熱帯雨林を守ることができるココア・ビジネスの立ち上げに着手しました。GbessayやBockerieのような林縁に住む農民が、このビジネスの基盤となるGoleagorbuココア生産者組合(GCPO)設立のために集まりました。同組合は民主主義にもとづいており、農民の登録、申し込み手数料の支払いや、儲けたお金の管理をするリーダーを選出します。皆が一丸となり、私たちは地元の人々に長期的な利益をもたらす森林にやさしいココア生産に投資をしています。

Bockerie(左)とGbessay(右)は民主的で透明性のあるシステムの設立を助けました。
写真提供: © R Anstead / Twin

ゴラ・ココア・チームは、森林農業(アグロフォレストリー)と呼ばれる技術の養成により農民を支援しました。この養成により、ココアの木は、鳥が好む葉の多い木、土壌を肥沃にする窒素固定をする木、パイナップル、チリ胡椒、トウモロコシの巻きひげに沿って戦略的に植樹されます。これらの林縁の小農地から現地農民はココアを採取し、皆で加工し、新しい購入センターに持ち込みます。

それぞれのセンターには、秤と受領帳とココアのキロ当たりの公表価格が準備されています。これは簡単なことのように聞こえるかもしれませんが、以前は農民にはこの程度の透明性もなかったのです。GCPOの会計係の一人Juma Koromaは、「私は以前このエリアで、他の業者にココアを販売していました。彼らは度々、私たちをだましました。彼らは決して秤を私に見せなかったので、私は自分のココアの重さを知ることができず、価格も分かりませんでした。今では秤の見方も知りましたし、私のココアがいくらになるかも分かります。」と説明しています。

 

最初に販売されたココアの利益のうち75%が農家に、25%が組合へ

 

Lalehun村では、組合員が早くもクレジット制度を始めるのに十分な貯金ができ、この制度で小額の利子が組合に再投資されます。ゴラ・ココア・チームは選挙で選んだリーダーたちを(うち27%は女性)強力な代表にするべく支援しました。若手農場経営者の訓練プログラムも次世代と知識を共有することを促しています。

世界的にも業界がココアによる森林伐採に気がつき、12の大手ココア企業の最近の発表は「ココアのサプライ・チェーンでの森林伐採ゼロ」の誓約を告げています。同様に、ゴラにおける私たちの活動はワクワクする新しい冒険的事業である「1兆本の木」WCSおよびWWFとの共同)の主力事業でもあります。これはこの事業のような実績のあるプロジェクトをスケールアップすることにより2050年までに森林伐採を終了させることを目的にしています。

ゴラでの農民のための次のステップは、彼らの高品質のゴラ熱帯雨林ココアを世界中の高価値市場で販売することです。これについては、Twin社(英国のNGO兼貿易業者)が支援してくれます。

初めてチョコレートを食べる子供
写真提供: © Katie Sims

このビジネスを成功させるための次のステップは何でしょうか?私たち自身で「ゴラ熱帯雨林の板チョコ」を開発することです。「私たちは現在、チョコレート・メーカーと協同で自身のブランド板チョコをどうすれば作れるかを探っているところです。シエラレオネのココアが驚くほど美味しく、しかも熱帯雨林を守っていることを世界の人々に伝えたいのです。」とバードライフのシニア森林プログラムオフィサーのAlice Ward-Francisは言います。

RSPBは、Goleagorbuの農民たちに最初の試作品の板チョコを届けました。ココア・チームの管理者Aminata Berewaはその時のことを思い出して、「彼らの顔は驚きに溢れていました。彼らはその香を楽しみ、この板チョコには自分たちが生産したココアが使われていることを知って、喜んで味わっていました。」

森林伐採が減り、2,000人の人々がこのビジネスに関わることで、その味は2倍に美味しかったことでしょう。

 

紹介:ゴラ熱帯雨林の板チョコ

今年の後半に立ち上げる板チョコをwww.rspb.org.ukから見守ってください。

© C N Tubbs

© B Horvath

 

報告者:Katie Sims-ゴラ熱帯雨林ココアのプロジェクト・マネジャー

原文はこちら

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