絶滅危機にあるとは信じがたい鳥7種

ニシツノメドリが嘴で魚をはこんでいる光景は遠からず過去のものになるかも知れない 写真提供: © Pixabay

懸念すべき事態です。かつては普通に見られ広く分布していた鳥さえも絶滅に向かっているのです。そのうちの何種かは、絶滅危機にあるとは即座には信じがたいことでしょう。

容易に近づけない離島に生息する見つけにくい種だけの問題ではありません。日々の生活で今までに数えきれないほど目にしてきた鳥の話しです。あまりにも有名で象徴的なので、その数が減っていることがにわかに信じられない鳥のことなのです。けれどもバードライフが最近発行した「2018年版世界の鳥の現状(State of the World’s Birds 2018)」には、衝撃的な事実が示されています。

このような減少を招いた要因を推測するのは難しいことではありません。「人間」です。以下は7種の鳥に関する話です。

 

1.コキジバト

コキジバト:生息地の喪失と狩猟により絶滅危惧Ⅱ類に指定 写真提供: © Revital Salomon

コキジバトは欧州ではあまりにも知られた鳥であり、大変人気のあるクリスマス・ソングである「クリスマスの12日」にも登場するほどです。皆に愛されているこの鳥が姿を消し、歌詞を変えなければならない状況を想像してみてください。

コキジバトはアフリカのサヘル地帯から欧州、中央アジア、中東に渡る、非常に数が多く分布の広い種でした。けれども生息地の喪失と狩猟が原因で、特に西ヨーロッパで減少しており、最近絶滅危惧Ⅱ類に指定されました。

コキジバトの密猟防止にご協力ください。

 

2.シロフクロウ

シロフクロウの狩猟成功率は気候変動の影響で低下している
写真提供: © Bert De Tilly

シロフクロウは間違いなく世界で最も知られた鳥の一つでしょう。映画ハリーポッター・シリーズに登場したことで更に有名になりました。本種の分布は極めて広く、北極圏のツンドラ地域全体に生息しています。けれども本種は急減しており、気候変動の影響による可能性が大きいと思われます。融雪と積雪のタイミングの乱れが餌の動物の量や分布に影響していると考えられます。本種は最近、絶滅危惧II類に分類されました。

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3.ニシツノメドリ

ニシツノメドリは魚の乱獲による餌不足により減少
写真提供: © Pixabay

縞模様の嘴とヨチヨチ歩きが魅力的なニシツノメドリは、北大西洋全域で人々の心を掴んで離しません。愛されてやまないこの海鳥は映画スターウォーズの鳥型キャラクター「ポーグ」が生まれるきっかけにもなりました。撮影ロケ地となったアイルランドのスケリッグ・マイケル島にはこの鳥の繁殖コロニーがあり、そしてあまりにも数が多すぎたため、デジタル処理で消去するよりも新たなキャラクターに「変身」させる方が簡単だったのです。

悲しいことに、魚の乱獲と気候変動によって餌不足が続いており、嘴に何匹もの魚をくわえたおなじみの光景は、遠からず簡単には見られなくなるかも知れません。本種は現在絶滅危惧II類に分類されています。

 

4.シマアオジ

シマアオジの個体数は1980年以降90%減少
写真提供: © Sergey Yeliseev

リョコウバトの逸話はご存じの方が多いでしょう。かつて北アメリカに数十億羽生息していましたが、乱獲と生息地の破壊で1914年に絶滅に追いやられた種です。残念ながら歴史は繰り返されようとしています。

つい最近まで、シマアオジはフィンランドから日本まで北半球全域で繁殖する最も数の多い種の一つでした。けれども1980年以降その個体数は90%減少し、生息地は5,000㎞もの範囲で消失しました。現在、本種は絶滅危惧IA類に指定されています。本種の狩猟は公的に禁じられていますが、特に中国では大規模な捕獲が続けられています。中国で通称「米の鳥」と呼ばれるこの鳥は、2001年には広東省だけで推定百万羽が食物として消費されました。

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5.ヨウム

ヨウム:違法な商取引が原因で絶滅危惧種に指定
写真提供: © Ken Schwarz / Flickr

特に欧州では、ヨウムほど馴染み深い存在はそうそう無いでしょう。「鳥」という単語とほぼ同義といっても過言ではない種であり、子供のアルファベットの本の中で「BはバードのB」の挿絵にも繰り返し使われてきました。この人懐っこく非常に頭の良いオウムは世界中のペット・ショップや家庭で見られる人気の鳥です。けれどもこれが問題の一部なのです。この鳥の人気が密猟に火を点け、さらに中央アフリカの生息地での森林伐採が追い打ちをかけ、本種は絶滅危惧IB類に指定されています。

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6.ミツユビカモメ

ミツユビカモメが減少し、崖は不毛の地に
写真提供: © Ed Marshall

欧州のカモメ類の代表と言えばミツユビカモメですよね?もはや違います。この社会性の高い海鳥で満ち溢れた崖の光景は程なく過去のものになるかもしれません。スコットランドのセント・キルダ島では2000年以降個体数が96%も減少し、今や崖は不毛の地になってしまいました。ニシツノメドリと同様、魚の乱獲と気候変動が主因と考えられています。海水温の上昇がプランクトンの数を壊滅的に減らし、それがドミノ効果となって魚や食物連鎖の他の部分に影響しているのです。

けれどもさらに別の要因もありそうです。最近の調査によると、海鳥の胃袋はプラスチックで一杯になっているようなのです。

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7.ハゲワシ類

毒薬によってケープハゲワシなどのハゲワシが急減している
写真提供: © Marietjie Froneman

ハゲワシは、究極の生存者と言ってもよいでしょう。他の動物の死骸を掃除する死食者であり、人間の文明が失われた後も続けるのです。だからこそ、アフリカとユーラシアで多くのハゲワシ類が急減しているのはショッキングなことです。現在16種の「旧世界」ハゲワシのうち、絶滅危惧種のリストに掲載されていないのはわずか2種だけです。現在、8種は絶滅の危機が差し迫っている絶滅危惧IA類、3種が絶滅危惧IB類、3種が準絶滅危惧種となっています。

1993年から2000年の間に南アフリカの個体群の95%が減少したのが始まりでした。家畜の痛みを和らげる獣医薬ジクロフェナクに汚染された家畜の死骸を食べたハゲワシが急性中毒により次々に命を落としたのです。最近ではアフリカの広い範囲で姿が消え始めており、また欧州では幾つかの国でジクロフェナクの使用が許可されたことで、これまで苦労して勝ち取ってきた保護活動の成果が水泡に帰す恐れがあります。

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全てが悲観的なわけではありません

希望がないように見えるかも知れませんが、決してそのようなことはありません。保護活動は実際に効果があるのです。科学者、コミュニティ、保護活動家の献身的な活動により最近の数十年で少なくとも25種の鳥が絶滅の縁から救われました。

「世界の鳥の現状」には、将来私たちが直面するであろう課題や、その解決策が書かれています。キャッチフレーズの「地球の脈を取る」の通り、この報告書では広い意味での環境の健全度に対する早期警戒システムとしての鳥の役割が取り上げられています。今や私たちは価値ある知識で身をまとっています。まさに、「知は力なり」です。

2018年版世界の鳥の現状(State of the World’s Birds 2018)のダウンロードはこちら

 

報告者: Jessica Law

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