外来植物が在来種の鳥を締め出す

モモイロバト 写真提供: © Chris Moody/Shutterstock

ネコやネズミだけではありません。外来植物も生態系を破壊し絶滅を進めるのです。

これまでで最も強力かつ重要な鳥類保護に関する法律である米国渡り鳥保護条約法の100周年を記念して、私たちは2018年を「鳥の年」と定めています。その一環として、バードライフ、ナショナル・ジオグラフィック誌、オーデユボン協会、コーネル大学鳥類学研究所は、世界を鳥にとってより良いものにするために、小さいながらも重要な取り組みを毎月実践するよう、自然愛好家たちに働きかけています。

3月の「活動の呼びかけ」は在来植物を植えることです。庭、テラス、バルコニーを在来の植物で一杯にすればそこは通過する鳥にはエネルギーの補給所に、営巣する鳥には安全地帯になります。

この記事では、この先は硬貨の裏側をお見せしましょう。即ち、見た目が良いというだけの理由で他の国から移入された外来植物が、どのように生態系を破壊し、時には世界的な危惧種の絶滅を招いているのかをご紹介します。

カヒリ・ジンジャー

アゾレス諸島(ポルトガル)

アゾレスウソの若鳥
写真提供: © Ricardo Ceia

アゾレス諸島の植物の60%以上は農業あるいは鑑賞目的で海外から移入されたものです。そのうちの1種がインドやネパールが原産のカヒリ・ジンジャーです。この植物は侵略的な耐陰性植物で、密な葉の毛布を形成して在来種の苗木を締め出します。現在では島には在来種の照葉樹林は2%しか残っておらず、SPEA(ポルトガルのパートナー)の活動がなければ固有種のアゾレスウソは餓死していたでしょう。SPEAは外来種が入り込まないように囲いを設置し、在来植物のアゾレスの森を一部復元しました。それに伴いかつては欧州で最も希少な小鳥だったアゾレスウソも個体数を回復しました。

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キバンジロウ(ストロベリーグアバ)

ラパ島(フランス領ポリネシア)

キバンジロウ(別名 ストロベリーグアバ)
写真提供: © Dick Culbert

世界で最も陸地から離れた孤島の一つであるラパ島においてさえ外来植物は猛威を奮っています。南米原産の樹木キバンジロウ(別名ストロベリーグアバ)は、可食性のプラムほどの大きさの果実を実らせる侵略的外来植物で、フロリダからオーストラリアにかけての生態系に壊滅的な打撃を与えたことで有名です。本来の生息地であるブラジルでは、この植物の成長は在来の種子捕食動物などによって抑えられていますが、こうした圧力から解放されたキバンジロウは短期間で鬱蒼とした茂みを形成し、今では除去するのは非常に困難です。この植物は、ラパ島固有の野生生物(カタツムリだけでも100種以上の固有種が居る)にとって大きな脅威となっています。キバンジロウの茂みを恒久的に除去することは、2017年のバードフェアの主目的のひとつ「太平洋のパラダイスを救おう」の一環でもありました。

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ヒガタアシ

如東県の干潟(中国)

如東県に移入したヒガタアシ
写真提供: © USDA-NRCS PLANTS Database

別名コードグラスで知られるヒガタアシは、干潟や湿地にビッシリと群生して急速に広がる水生植物の仲間です。北米原産の本種は、1970年代に堆積物を定着させて護岸工事を効率化するために1970年代に中国の沿岸河口に移入されました。ところがこの植物は、地下茎を伸ばして急速に広まり、瞬く間に干潟を占領しました。群生の一部は分裂して湾内の至る所に根を下ろすため、抑制するのは困難な作業です。その過程でヘラシギなどの渡り性シギ・チドリ類の貴重な餌場となっていた広大な環境が失われました。成鳥の個体数が500羽に満たない絶滅危惧IA類のヘラシギにとっては、耐えがたい脅威といえます。

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メスキート

インドの草原

インドオオノガン(絶滅危惧IA類)
写真提供: © Prajwal KM

インドの草原の鳥が抱えている問題の原因は、稚拙な政策です。最近までインドでは草原は実質的に荒地と考えられており、森林局は可能な限り草原を燃料や飼料に利用できる樹木農園に転換してきました。例えそれが、陸生動物の移動を制限するほどの頑強な障壁を作る悪名高きメスキートのように、勢いよく広がる棘のある樹木であってもです。そのまま放置された結果、インドオオノガンなどの絶滅危惧IA類の生息地である草原が破壊され、単一栽培の農地が広がる風景が形成されました。インドでは外来植物の除去には別の問題があります。サイやゾウや野牛が頻繁に出没するので、地上での作業には危険が多く、武器を持ったガードマンに同行してもらって実施しなければならないのです。

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イボタノキ

モ-リシャス

モモイロバト
写真提供: © Chris Moody/Shutterstock

モーリシャスは、かつてかの有名なドードーの生息地だった場所です。ドードーやその白鳥ほどの大きさ近縁種ロドリゲスドードーを救うのは今からでは遅すぎますが、世界で唯一ここでだけ生存しているモモイロバトにはまだ希望があります。

けれども、それもぎりぎりです。キバンジロウ(前項に続き又です)やイボタノキなどの外来植物の侵入が、この地上で採食する草食性のモモイロバトの個体数が1991年に10羽以下にまで減少した原因のひとつなのです。精力的な繁殖と野生管理プログラムにより、個体数は2000年には300羽を超え、現在モーリシャス野生生物基金(MWF:同国のパートナー)ではモモイロバトの生息域を広げるために他の場所にも放鳥する活動を進めています。

 

ココヤシ

クーザン島(セーシェル)

クーザン島(セーシェル)
写真提供: © Tiare Scott

最後に心温まるお話はいかがでしょうか?1968年当時のクーザン島には、そのようなトピックはありませんでした。在来植生のほとんどはヤシのプランテーションを作るために伐採され、残った植生は家畜に踏み荒らされました。クーザン島は、セーシェルヤブセンニュウが1968年にわずか30羽にまで減った際の唯一の個体群の生息地でした。事態を重く見たバードライフは島を購入し、地元の保全団体と共同でプランテーションのヤシを伐採し在来種の植生の回復させる環境復元プログラムを立ち上げました。その結果、セーシェルヤブセンニュウは驚くべきほどの反応を示し、1982年には300羽以上に増加しました。さらにその後生息地の移転活動のおかげもあって、現在、複数の島の個体数の合計は3,000羽となり、現在も増えています。

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報告者:Alex Dale

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