カンボジアのトキ米:鳥に優しい米で生計改善

Khey Svay村で「トキ米」を収穫する農民 写真提供:© BirdLife International Cambodia Programme

20171227日、バードライフ・カンボジア事務所はシエンパンのKhet Svay村で初めての「トキ米」の収穫を祝う「農民の日」を主催しました。受賞もしているこのプロジェクトは、カンボジアの国鳥オニトキとその重要な野生生物保護区を守ることを目的としています。

西シエンパン野生生物保護区は本当に特別な場所です。なぜなら、1種ではなく5種もの絶滅危惧ⅠA類の鳥にとって非常に重要な生息地だからです。そのうち、オニトキは世界の全個体数の20%、カタジロトキの50%が生息しているのです。

ですからバードライフ・カンボジア事務所が何年にもわたり西シエンパンの保全に努力して来たことは、驚くようなことではありません。2016年、森林の南部がついに野生生物保護区に追加され、パズルの最後のピースがはめ込まれました。しかし、森林伐採や、狩猟、農耕地拡大は、依然としてこの保護区の脅威となっています。

コウノトリ米でオニトキの生息地を持続不能な農業から守る。 写真提供:© J C Eames

保護活動では地元コミュニティは重要な役割を果たします。そのためバードライフは、保護区の境界線の周辺の村に着目しました。もし同じ水田から従来以上の収入が得られるなら、農民は狩猟や耕地拡大のための森林伐採は減少するでしょう。そこでバードライフは、「IBIS Rice」および野生生物保護協会(WCS)とパートナーシップを組み、既に成功を納めている「トキ米」のスキームを新たな地域で確立する取り組みを開始しました。

 

仕組み

WCSカンボジア・プログラムにより設立されたIBIS Riceは、「Wildlife Friendly認証」を受けた有機ジャスミン米(主としてタイ米)をカンボジア農民と共同生産する非営利団体です。この米を通常よりも高い値段で販売し、農家の家計収入を増やします。その代りに、農民は野生生物保護区の法律の遵守に同意しています。

カタジロトキの個体数の半分は西シエンパン野生生物保護区に依存している。 写真提供:© J C Eames

このスキームは短期間のうちに素晴らしい活動となりました。「私たちは2009年に立ち上げ、カンボジアとヨーロッパの消費者のお蔭で、既に50万ヘクタールの森林と湿地を保全しており、50種を超える動物種の保全に貢献し、1,000軒のコメ農家の所得を増やしました。」とIBIS RiceのCEOのNicholas Spencerは述べています。

「このスキームは大きな成功を収めており、同様の問題と熱意を持つ地域にも拡大しようとしていたところだったのです。西シエンパン野生生物保護区でのバードライフとの共同活動は、まさに次のステップそのものでした。」

バードライフのシエンパンのサイト・マネジャーTy Srunは、コミュニティ全体への拡大を期待しています。「参加農民が「トキ米」によりどれ程の追加収入を得ているかを知れば、スキームに加わる農家はすぐに増えるでしょう。」

 

量より質

このスキームに参加するには、農民は狩猟、森林伐採あるいは殺虫剤と除草剤を使用しないという協定に同意することになります。また、野生生物保護区内に耕地を拡大しないことを誓約します。さらに参加する村人は彼らの耕地が地図化されることをにも同意します。それにより、人工衛星画像によって彼らが保護区の境界を尊重していることを確認します。

村人にとっても、努力に十分見合っています。「IBIS Riceのメンバーになったことを喜んでいます。「トキ米」は、危惧される野生生物を守り、化学肥料の使用を止めることにつながります。もちろん最も重要なのは、自分たちの米を「トキ米」プロジェクトに特別価格で販売でき、生計の改善につながることです。」

この取り組みは、保護活動は生計を犠牲する必要がないことを再確認させてくれます。一方を良くすれば、もう一方も良くなるのです。

報告者: Jessica Law

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