2029年までにアフリカとユーラシアのハゲワシを救うための一大計画

まさに今、ハゲワシに目を向ける必要があります。すぐに効果的な活動が行われなければ、多くの種が私たちの生きている間に絶滅するでしょう。写真はシロエリハゲワシ。 写真提供: © Kdsphotos / Pixabay

現在、15種のハゲワシを確実に回復させるための120ヶ国以上による国際協力が必要とされています。

まさに今、ハゲワシに目を向ける必要があります。すぐに効果的な活動が行われなければ、多くの種が私たちの生きている間に絶滅するでしょう。写真はシロエリハゲワシ。
写真提供: © Kdsphotos / Pixabay

アフリカからユーラシアに生息するハゲワシ類は、地球で最も絶滅が危惧されている陸生の渡り鳥です。多くのハゲワシ類が極めて高い高度で移動し(マダラハゲワシは旅客機に衝突したことから、世界で最も飛翔高度が高い鳥として記録されています)、生息範囲が広範囲にわたるため、多くの国が団結し保護計画に合意しない限り彼らの安全は保証されません。これこそバードライフが世界中のパートナーと共に活躍する場です。また「移動性野生動物種の保全に関する条約(CMS)」は、この活動の重要な枠組みです。

広大な地域にまたがる深刻な課題なので、私たちはこれに対応すべく特別なプランを立てました。その名を「アフリカ・ユーラシアに分布する複数種のハゲワシ類を保護するための行動計画(Vulture MsAP)」といいます。この計画は、バードライフと「IUCN(国際自然保護連合)の種の保全委員会のハゲワシ専門家グループ」および「ハゲワシ保護基金」が策定したものです。「CMSのアフリカとユーラシアの渡り性猛禽類の保護に関する覚書(猛禽類MOU)」に沿った内容となっており、多くの専門家からの助言や意見が反映されています。

マダラハゲワシ(絶滅危惧ⅠA類)も新しい計画の恩恵を受ける15種のうちの1種。
写真提供: © Ian Dyball

「野鳥保護団体として私たちはハゲワシ類の重要性を認識しており、彼らを救うために出来る限りの活動を行っています。しかし、この壮大な課題には政府や民間部門、その他のステークホルダーの協力のもと、前例のない規模での活動が必要です。」とバードライフの絶滅阻止プログラム上級マネジャーのRoger Saffordは述べています。この計画には、毒薬使用の禁止、電力設備での感電および衝突の回避、迫害や違法売買問題への取り組み、生息地の回復、自然な食物供給の確保などの、ハゲワシが生息するアフリカ・ユーラシア128ヶ国の政府(ハゲワシ生息国)や他のステークホルダー向けの取り組み方針や進め方が示されています。

この計画は期限付きです。 2029年はハゲワシ類の復活を祝う年にしなくてはなりません。

「Vulture MsAPは2029年までに旧世界に分布するハゲワシ類15種の個体数を十分なレベルにまで回復させることを目指しています。」とSaffordはコメントしています。この計画には、文字通り最終期限があるのです。2029年を、ハゲワシ類の絶滅を悲しむ年ではなく、その復活を祝う年にしなければなりません。この目標が達成されなかった場合の影響は計り知れません。

バードライフは、CMS(前出)の加盟国126ヶ国に対し、Vulture MsAPの採択と、アフリカとアジアのハゲワシ10種をCMSの付表Ⅰに追加することで最高度の保護の対象とすることを要請しています。これらの要請は、10月23日~28日にマニラで開催される第12回CMS加盟国会議(COP12)において実現しなければなりません(訳者注: 会議の結果、10種のハゲワシが実際に付表Ⅰに追加されました)。

次の目標は、ハゲワシ生息国をはじめとする多くの国が、ハゲワシと人の重大な健康被害を防ぐために、国別行動計画をはじめ、資源や法律、保護施策などのあらゆる手段を講ずることです。これらが実施されれば、国際的なハゲワシ保護活動が一段と加速することでしょう。

報告者: Shaun Hurrell

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