英国の最もエキゾチックな天然記念物が‘法律のネグレクト’により危機に

英国の海外領で最も絶滅が危惧される種の一つゴウワタリアホウドリ
写真提供:Richard Cuthbert; rspb-images.com

英国の14の海外領での環境法に関する初めての分析が発表され、英国政府に提出されました。RSPB(王室鳥類保護協会、英国のパートナー)の依頼により作成されたこの報告書は、英国の野生生物の最も重要な生息地の幾つかで保全すべき規制に重大な欠陥のあることを明らかにしています。

このアセスメントは英国政府が去年6月に‘海外領土白書’を刊行したちょうど9ヵ月後に出来上がりました。その中で、英国首相は‘環境を大切にする’および‘環境の良好な管理を確実に行う支援をする’ことを誓約しました。

英国の海外領には、ケイマン諸島の原始熱帯林からペンギンやゾウアザラシの住む吹きさらしの南大西洋諸島まで、また英国に保護責任のある絶滅危惧種の9割を超える野生生物が生息する世界で最も優れた環境の幾つかがあります。

‘英国海外領の環境管理: 環境保護における主なギャップが顕在化される’というタイトルの今回のアセスメントは:

  • 5つのテリトリーで大規模開発に必要な環境アセスメント(EIA)が行われていない。例: ケイマン諸島では絶滅危惧種アオイグアナが生息する原生林の中を通るハイウェイ建設計画があり、アングイラのスクラブ島では10億米ドルの開発計画が許可されたが、それにはこの重要な野生生物の島が半分に分けられ内陸部にマリーナが作られる計画が含まれる。
  • 9つのテリトリーでは保護地区の強力なネットワークあるいは完全な実施規制が無く、これは絶滅危惧ⅠA類のマウンテン・チキン(巨大カエル)の生息地であるモントセラト島のセンター・ヒル森林などが未保全のままになることを意味する。
  • 4つのテリトリーには海洋保全地域がない。例: フォークアイランドでは沖合いで採油する石油産業の開発行為が海洋保護地域ネットワークの設定予定を危うくする。
  • 3つの無人のテリトリーでは、英国政府が‘他の規範となる環境管理’にすると約束した場所に透明性と責任性に重大な欠如がある。
英国海外領のモントセラト島の固有種モントセラトムクドリモドキ 写真:Chris Bowden; rspb-images.com

英国海外領のモントセラト島の固有種モントセラトムクドリモドキ
写真:Chris Bowden; rspb-images.com

けれども、環境法のギャップの多くを埋める海外領土規正法には現在少なくとも5つの草案がありますが(例: ケイマン保護法案2007年やアングイラ配置計画法案2001など)、政治的意思の欠如によりそのすべてが現在引き伸ばしになっています。

RSPBの国際的活動部長のティム・ストウは「ジブラルタルのように幾つかの英国海外領には素晴らしい環境法がある場所もありますが、この分析で明らかにされたギャップは頭の痛い問題で、私たちに保護責任のある環境や野生生物にたいしてダメージを与える可能性があります。」と言いました。

「私たちはこの報告が英国政府に海外領土で‘世界基準を設定する’という大志を実現する勇気を与え、現在の保護法における喫緊のギャップを強化する作業プログラムを開始することを願っています。主な改善は手の届く範囲にあり、それほど大きな追加資金がなくても達成が可能なのです。」

この報告は首相が海外領おける彼の大志を実現する手助けとなる7つの提案を行っています。報告は環境管理に関する多くのギャップを指摘していますが、同時に英国領土の幾つかでは環境規制の面での成功事例となっていることも分かりました。ジブラルタルの環境法規は全面的に‘優’にランクされ、また、英領ヴァージン諸島のサイト保全メカニズムとセント・ヘレナでの開発規制手続きも大変良いものです。

欧州諸国の海外領土における環境劣化、外来種、気候変動など相互につながりのある脅威に取り組むことは将来の野鳥の絶滅を防ぐために必要な重要な活動の一つであることが確認されました。

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