黄色の目は警告の色

ニュージーランドのキンメペンギン(絶滅危ⅠB類) 写真提供: © Richard Robinson

絶滅危ⅠB類の鳥の目を真っ直ぐに見てください。「フォレスト&バード」の陸上での活動はキンメペンギンの保全に役立っていますが、海における脅威は大きく懸念されています。

鋭いまなざしとスベスベのヘッドバンドを持つキンメペンギンが、嘴も使って鬱蒼としたラタ(ニュージーランド原産の植物)の森をヨチヨチと巣穴に歩いています。ニュージーランド南島南西沖のオークランド諸島の一つであるエンダービー島は、人類が定着する以前の様子をうかがい知ることのできる場所の一つであり、バードライフがIBA(鳥を指標とする重要生息地)に指定しています。この島を訪れる研究者は、ペンギンが小さな水かきのついた足で歩いた泥だらけの道に従って、棘だらけの植物が絡み合ってできたトンネルを潜り抜けるためにペンギンと同じ高さ(65㎝)に屈まなければなりません。

キマユペンギンとその雛: ニュージーランドTe Rere 保護区
写真提供: © Kimball Chen / Forest & Bird

ペンギンが上陸して来るTe Rere保護区とその亜麻植物の原生地
写真提供: © Kimball Chen / Forest & Bird

本土では状況が全く違います。南島の南東部でFergus Sutherlandがキンメペンギンを探しています。彼はトランペットのような縄張りを主張する鳴き声を聞きながら、丈夫で細長い在来の亜麻の葉の下からペンギンが姿を現すのを待っています。マオリ語で「騒音を出す人」を意味する「ホイホ」と呼ばれるこのペンギンは、やっと見つけた暑さをしのげる隠れ家の所有権を主張しています。ニュージーランドの東部および南部の海岸の農業地帯では森林が減少し続けており、断片状に残っている在来植物が生育する地域がペンギンのサンクチュアリになっています。そのような場所の一つがTe Rereで、ここは30年前にフォレスト&バードが地元の農民から買い上げた沿岸の保護区です。それ以後、大規模な植林と外来種の抑制がこの地の鳥を守るために進められています。けれどもこれは戦争の中の小さな戦闘の一つに過ぎません。ペンギンが必要とする本土の森林再生のベストプラクティスであるにもかかわらず、状況は「ホイホ」に有利にはなっていません。

「例年ならば20個の巣が見つかりますが、去年の夏は12個しかありませんでした。この状況は南部の海岸地域全域で見られます。」とFergusは言います。2015年には南島全体で216個の巣しか確認できませんでした。その前年に比べて33%も少ないのです。絶滅危惧ⅠB類に分類されているキンメペンギンの減少のメカニズムは、海での脅威が大きいことは分かっていますが、複雑で解明は困難です。

南島のTe Rere保護区で活動するFergus Sutherland
写真提供: © Lucy Dickie

この絶滅危惧ⅠB類のキンメペンギンの未来はいかに?
写真提供: © Kimball Chen / Forest & Bird

ペンギンが重傷を負ったり、飢餓状態で上陸することは、餌となる生物の分布と海洋環境全体の広範囲な変化を反映するもので、私たちへの警告なのです。「「ホイホ」は最深で160mの海底で採餌します。海底の微細な構造が餌となる魚やイカの生息地となっているのです。そして、このような構造は底引き網漁や浚渫工事ですぐに損傷してしまうのです。」とFergusは説明しています。

Fergusはカメラトラップ(動物観察用の自動撮影カメラ)の映像をチェックし、成鳥の印である黄色のヘッドバンドがない1羽のキンメペンギンがヨチヨチと歩くのを見つけました。「過去2年の間、この場所で若鳥を確認できていなかったので、心配していました。この若鳥は去年の夏に孵り、最初の年を無事に乗り越えたのでしょう。幸運な個体で、未来を示すサインであればと思います。」と彼は言いました。

 

報告者: Shaun Hurrell

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