ベラルーシで新記録!12万羽のエリマキシギ

エリマキシギは春に印象的なディスプレイをすることが知られています。 写真提供: © Dzmitry Yakubovich By Victoria Tereshonok & APB team

4月末にベラルーシのトゥーラウ牧草地に数千羽のエリマキシギが集まり、バードウォッチャーを喜ばせました。このエリアは本種の重要な渡りの中継地ですが、今回の個体数は同国での新記録でした。

 

エリマキシギは春に印象的なディスプレイをすることが知られています。
写真提供: © Dzmitry Yakubovich By Victoria Tereshonok & APB team

気候は寒いのですが、渡りは最盛期です。数百万羽の鳥がアフリカの越冬地からユーラシアの寒冷なツンドラ地域を中継する渡りを始めました。

一年のこの時期には、ベラルーシのトゥーラウ牧草地は自然愛好家にとって天国になります。時には一日で15万羽ものヒドリガモや2万羽のオグロシギが、この平原に集まります。

トゥーラウ牧草地のエリマキシギ
写真提供: © Victor Natykanets

しかし今年バードウォッチャーに大きな楽しみを与えてくれたのは、エリマキシギです。この首の長い鳥が数千羽で空を覆ったのです。

このサイトは現在、ヨーロッパ全土で最大のエリマキシギの春の渡りの中継地ですが、今年の個体数は皆を驚かせました。

APB(ベラルーシのパートナー)の研究者を含む鳥類学者のグループが、たった一日で12万羽という記録を登録しました。これほどの数は、1997年にトゥーラウ牧草地での観察が開始されて以来記録されたことがありません。

トゥーラウ牧草地はプリピャチ川中流にある開けた氾濫原で、オグロシギ、ヨーロッパジシギミヤコドリなど50種以上の渡り性シギ・チドリ類の欧州で最も重要な営巣、中継地です。この3種はIUCNのレッドリストで準絶滅危惧種に指定されています。これらの種はここに立ち寄るだけではありません。営巣をするのです。

このことから、同氾濫原はIBA(鳥を指標とする重要生息地)に指定され、また2008年以後はベラルーシ政府により「地域的に重要な野生生物サンクチュアリ」に認定されています。

IBAに指定されているトゥーラウ牧草地
写真提供: © Victoria Tereshonok

この認定は、ここ30~40年にベラルーシで大きく減少したエリマキシギの個体数と分布域の回復を助けました。バードライフによれば、エリマキシギは軽度懸念種に分類されていますが、世界的な個体数は生息地の喪失、集約的農業、気候変動の結果減少したと考えられています。本種は狩猟鳥のリストから除外され、営巣地は政府により保全される必要が生じたため、ベラルーシの地域別レッドリストに加えられたのは、驚くことではありません。

バンディング(足環付け)によるデータは、エリマキシギがスカンジナビアからヤクーツクにかけて営巣することを示しています。全ての鳥にとって渡りは、困難な時になることが多く、トゥーラウ牧草地のような中継地は彼らがくつろぎ、栄養補給をするので、最終目的地に到達するのには極めて重要な場所です。

残念ながらトゥーラウ牧草地のような中継地はヨーロッパにはほとんど無く、あっても遠く離れています。鳥たちはこの氾濫原に1ヶ月は滞在すると言われており、周囲の草原で手に入る無脊椎動物や穀類を食べています。その間に体重が2倍になるのです。このエネルギーは次の場所まで旅を続ける上で必要不可欠なのです。

どれほど多くの鳥が、プリピャチ川沿いのこの生息地に依存しているかを見ると、この重要な生態系を保全することがいかに大切で、それにより私たちがこれらの鳥を守ることが出来ることが分かります。

「プリピャチ川氾濫原は、それほど重要な場所なのです。そこを守り、そのまま残すことが重要なのです。」、と「ベラルーシ鳥類バンディング・センター」代表のPavel Pinchuk氏は述べています。

夕方の野鳥カウントの準備が出来た鳥類学者とボランティア
写真提供: Pavel Pinchuk

2007年以降、APBはトゥーラウ牧草地エリアを賃借し、地元当局のために管理計画を策定しました。APBと当局は、この独特の地勢をどのように保全するのが良いかについて合意し、毎年APBは繁茂した藪を清掃するためのボランティアキャンプを組織し、同時に氾濫原内での狩猟シーズンの閉幕を管理しています。彼らはこの地域の調査にも参加し、鳥の個体数の傾向を記録しています。

2014年3月、鳥類学者たちはトゥーラウ牧草地で過去最大の数の鳥を記録しました。サンクチュアリの1平方キロメートル内で20万羽がカウントされました。それまでベラルーシではこれほどの多くの渡り鳥の記録はありませんでした。

保全を続けることにより、私たちはこのエリアが今後何年にもわたって、記録破りの鳥の数で人々を驚かせることを期待しています。

 

報告者:Victoria Tereshonok & APB team

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