唯一のアフリカ固有のペンギンを救おう

ケープペンギン 写真提供: © Shutterstock

唯一のアフリカ固有のペンギンが餌の不足により徐々に絶滅に向かっています。保護活動家はペンギンとその餌をつなぎ直すために活動しています。

ペンギンは雪景色、氷山、厳しい環境の中でしっかりと身を寄せ合う鳥の群れを思い出させる言葉です。この寒冷な気象に反するペンギンの1種が南アフリカ共和国とナミビアのアフリカ大陸南西端にだけ見られるケープペンギンです。本種は摂氏30度を超えても耐えられる亜熱帯環境に適応し、おそらく雪や氷を見たことがないでしょう。

かつて数百万羽を数えたケープペンギンは今では1900年代の個体数のわずか1%に減ってしまいました。1900年から1930年の間の歴史に残る大掛かりな卵の採取によりアフリカ南部の島々から1,300万個もの卵が取られました。時を同じくして‘白いゴールド・ラッシュ’と呼ばれた肥料用のグアノ(鳥の糞の堆積物)の採取によっても環境の改変が広範囲に及びました。

わずか数十年の間に数千年にわたって積み重なっていたグアノが取り去られました。断熱がよく効いたグアノの中の巣穴に代わって、ペンギンはほとんどのコロニーで地表に営巣せざるを得なくなり、卵や雛は自然環境や捕食者にさらされています。これら二つの破壊的な行為が1960年代に止められるまでにケープペンギンは繁殖可能な個体が30万羽に減りました。

それから程なく新しい脅威が、ケープペンギンが好む餌のマイワシの産業化した漁業の形で現れました。新技術の出現に伴い、漁獲量はかつてないレベルに増加しました。その20年後、マイワシ漁は破綻しました。それにより漁業が停滞を余儀なくされるだろうという期待に反して、対象が小型で儲けの少ないカタクチイワシに転換しました。カタクチイワシもペンギンの代替食物です。

育ち盛りの雛はマイワシやカタクチイワシに含まれる脂質が非常に高い餌が必要です。人と同様、海鳥の雛は低品質の‘ジャンクフード’で育ったときには発育が遅れ、認識力が低下し、巣立った後に餌を見つけるのが困難になることが研究により示唆されています。

ペンギンの生息条件がそれほど悪化していないかのように、1990年代にはマイワシとカタクチイワシがかつて豊富にいた場所から移動を始めました。「繁殖中のペンギンが巣や雛への注意を必要とする距離は半径40kmに限られるので、魚の群れは今やペンギンの行動範囲を超えてしまいました。」とバードライフ南アフリカの海鳥部門マネジャーのRoss Wanless博士は説明します。

科学者はこのイワシの分布域の移行の原因が正確にはつかめていませんが、気候変動と西海岸での高レベルの漁業の二つがその役を果たしている可能性があります。このイワシの分布の変化に対応するために、ペンギンの新しいコロニーを魚がたくさんいる場所に作ることができるかどうかを調べるための新しく革新的なプロジェクトが始まりました。

「海鳥の廃棄されたコロニーが、メインのニシツノメドリやニュージーランドのミズナギドリ類などの飛翔性の海鳥に対して再建されました。けれどもこれは一度だけあるペンギン種に試されましたが、ケープペンギンに対しては行われたことがありません。」とWanless博士は言いました。

「このプロジェクトはペンギンの個体数を増やし、コロニー数を増やすことにより破滅的な出来事に対する脆弱性を減らし、‘保険’を提供する可能性があります。」バードライフ南アフリカは他の地元や海外の団体の支援を得てペンギンのコロニーを作る試みを行う二つのサイトを特定しました。

「私たちは最初2003年にコロニーを1箇所再建することを決めましたが、陸生の捕食動物が居ることに一度は計画が阻止されました。今は効果的な捕食者除けのフェンスを立てることにより同じことが起きるのを防ぐ計画を立てています。」とWanless博士は言いました。「デコイとペンギンの声を流すことにより海から鳥を引き寄せ、ここで巣立ちした雛はこの新しいエリアに繁殖のために戻ってくるようになるでしょう。」

ペンギンが一度あるコロニーで繁殖活動を始めると毎年同じ場所に戻って来ます。同じ相手を見つけるのを助ける習性です。これが、若鳥がどこか別な場所を選んでしまう前に新しいサイトで繁殖活動をすることを促すことが必要な理由です。新コロニー建設の目的はペンギンが餌の豊富な新しい地域に移動するのを助けるためです。

「このプロセスは自然界では数百年掛けて起きていることですが、私たちはもっと短期間で起きるよう手助けする必要があります。」とWanless博士は言います。ケープペンギンは捕食から海への油漏れや営巣場所の不足など多くの他の脅威にも直面しています。そして、これらの問題に対処する保護活動の介入が適宜行われています。人工巣箱が繁殖成功率を改善するために提供され、油にまみれたり怪我をした鳥の手当てをするためにリハビリ・センターが設置されています。

「それでも餌不足は最大の課題です。私たちは彼らの採餌場所の保全を進めることに力点を置いており、生態系が必要とするものを確実に考慮に入れるよう漁業関係者や政府と共同で活動しています。

ケープペンギンは不確実な未来に直面していますが、その生き残りを確実にするために活動している献身的な団体や熱心な個人が居ます。けれどもペンギンを餌のある場所の近くに移し、海にもっと多くの魚がいるようにすることにより、私たちはペンギンに望ましい状態に変えることを期待しています。

 

報告者: Christina Hagen

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