モントセラートムクドリモドキが絶滅危惧ⅠA類から格下げ

モンセラートムクドリモドキ 写真提供:ⒸAlistair Homer

生存に適した森林環境の3分の2が完全に破壊され、1990年代末に連続して起きた火山噴火と外来種の影響により、モントセラートムクドリモドキの個体数は急激に減少しました。今回RSPB(英国のパートナー団体)や他のパートナー団体がどのようにして状況を好転させたかをご紹介します。

英国海外領カリブ海のモントセラート島の南部にあるスーフリエール・ヒルズ火山は活火山であり、多くの人が1995年の大規模水蒸気爆発をよく憶えています。噴煙、水蒸気、溶岩がモントセラート島から流れ出し、村々を一掃し、島の豊かな森を破壊し、泥流が首都プリマスを呑み込んでいきました。

この悲劇から数年後、島の5千人の住人は比較的安全な「立ち入り禁止地区」の外に住み続け、硫黄の臭いにも順応しました。けれども生息に適した森林の3分の2が完全に破壊され、モントセラートムクドリモドキの個体数は激減しました。継続的な降灰とそれに続く何年もの日照りはこの固有種の生存と繁殖を減少させました。

1990年代後半に話を戻すと、RSPBは特にデュレル・ワイルドライフや王立植物園キューガーデンなどの国際的なパートナーと共にムクドリモドキが永遠に失われないように保護施設内での飼育を始めました。一方、モントセラート島ではムクドリモドキはセンター・ヒルズを拠点に生き残っていましたが、2001年と2003年の噴火が大量の降灰を引き起こし、個体数は減少を続けました。

 

スーフリエール・ヒルズ火山、モンセラート 写真提供: © James Millett

世界中のほとんどの島で起きているのと同じように、野生ブタが生息地を壊し、ネズミは巣を襲うなど、外来種がモントセラートムクドリモドキにとっての脅威となっています。RSPBは地元のパートナーのモントセラート・ナショナル・トラストと環境局とともに2014年にセンター・ヒルズを保護区に指定し、野生ブタの影響を抑える管理計画を策定しました。

2010年以降火山活動は沈静化しており、2011年以後の調査活動でムクドリモドキの個体数が安定あるいはやや増加していることが分かっています。現在成鳥が500羽を超えていることからモントセラートムクドリモドキはもはや絶滅危惧Ⅰ類に適合しません。

面積100平方キロメートルのこの島の半分以上が今でも立ち入り禁止になっており、鳥への攪乱がほとんど無いと考えられます。モントセラートはカリブ海の多くの島ほど開発されておらず、森林地域もまだかなり残っています。

「モントセラートムクドリモドキの将来の個体数は繁殖率に大きな影響を及ぼす降雨量と活火山の予測不能な変化により常に変動するでしょう。けれども現存する森林が完全に保全される限り、今後10年のうちに絶滅する可能性は極めて低いでしょう。」とRSPBの上級保全科学者のSteffen Oppelは言います。

英国の海外領に生息するもう一つの島嶼の固有種もRSPBと地元のパートナーの活動により絶滅危惧Ⅰ類から格下げされました。それはセントヘレナチドリで南大西洋のセントヘレナ島に生息する種です。この結果、英国の絶滅危惧ⅠA類の鳥は2種だけになりました。共に南大西洋の島の種である、ゴウワタリアホウドリとゴーフフィンチで、外来種の脅威にさらされています。

外来種が猛威を振るう、このような困難な場所を生息地とするモントセラートムクドリモドキとセントヘレナチドリには、今後も絶滅の危機が付いてまわるでしょう。けれども彼らが絶滅危惧ⅠA類ではなくなったことによりRSPBとそのパートナーはひとまず一安心でしょう。

 

報告者:Shaun Hurrell & Sarah Havery

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