日本は世界の海鳥3分の1の生息地 – 日本の海域をマップ化しました

日本は人口密度の高い都市があることで知られていますが、鳥の保護で最も重要な場所の一部には人が滅多にやって来ない所があります。それが海域です。

列島で成り立っている日本は長く岩だらけの海岸線に恵まれ、これがアジアでも特に海鳥の多様性の高い国にしています。世界の海鳥のほぼ3分の1が200海里に及ぶ海岸線の日本のEEZ(排他的経済水域)にやって来ます。それらの種には3種の北太平洋のアホウドリ類のすべて、8種のウミスズメ類、11種のミズナギドリ・ウミツバメ類が含まれています。

海鳥は世界的に最も絶滅が危惧される鳥類のグループですので、これらの種のいくつかがバードライフにより危惧種とされ、保護が緊急に必要であるとされているのも驚くことではありません。その中には繁殖域が極めて狭く、幾つかの太平洋の島に限られていて絶滅危惧Ⅱ類に指定されているアホウドリ、繁殖地の島でネズミやネコなどの外来種に捕食される脅威を受けているオーストンウミツバメ、繁殖地での釣り人による脅威や刺し網漁その他による偶発的捕獲を受けているカンムリウミスズメなどが含まれます。

ご存知のように、日本の海鳥はすでにさまざまな脅威を受けており、拡大が続く洋上風力発電もこれらの最も危惧される種にさらに大きな圧力を加える懸念があります。洋上風力発電は再生可能エネルギーに対する国の必要性から建設されていますが、2011年の福島原発の事故以後、その導入の拡大が進んでいます。日本の最も重要な海洋サイトが適切に評価され、保全されることには差し迫った必要性があることは明らかです。

けれども、このことはまだ問題になっていません。日本政府は国の海域の8.3%が保全されていると言っています。けれども、この保全が国の海洋生物多様性を保全する上でどれほど効果が上がっているのかという懸念が生じています。たとえば、そこでは地元の漁師による管理が行われてはいるものの、法的な保全を欠く海域が含まれていたり、あるいは、法律で保全されていても海洋生物多様性保全には貢献しない海域が含まれています。結局のところ、この8.3%という数字は日本の海鳥の保護という観点ではその目的を完全に果たすものではないのです。

カンムリウミスズメ 写真提供: © Yoshiharu Suzuki

けれども私たちは今海鳥の保護改善のための重要な第一歩を踏み出しました。2004年にバードライフ・インターナショナルとそのパートナーは沿岸と海洋の保全に重要な場所をマリーンIBAとして指定するプロジェクトを開始しました。これは生物多様性にとって重要なサイトの世界最大のネットワークを創設した今も続く活動の一部です。これらの重要サイトを特定するための簡素でしっかりとした基準を用いることにより、保全が最も必要な陸地と海のエリアを明らかにして政策決定者に情報を提供して助けるのです。

この目的で日本野鳥の会(日本のバードライフ・パートナー)とバードライフ・インターナショナル東京は、2004年に定められた167箇所の陸上および沿岸のIBAに加えて、今回27箇所のマリーンIBAの選定を完了しました。

「海鳥は海洋環境の健全度を測る最適な指標です。」と日本野鳥の会自然保護室チーフの山本裕氏は言っています。「日本で重要な海鳥のサイトを特定することで海洋の保全に必要な優先事項と取るべき行動がわかります。」

この結果は新しいマリーンIBAの情報をまとめた冊子として先ごろ発行されました。それには繁殖地の詳細、海鳥への脅威、およびマリーンIBAサイトの選定に使われた18種の海鳥の生態、および海鳥の保護活動を行っている地域コミュニティに関するケース・スタディが含まれています。それには地元の保護グループ、漁業組合、政府および海鳥科学者が海鳥のモニターと啓蒙活動を行い、自然をベースにした観光業を振興しているいくつかの町や村が含まれています。マリーンIBAで世界最大のカンムリウミスズメのコロニーがある枇榔島(びろうじま)に近い宮崎県の門川町では町のシンボルにこの種を選んだほどです。

「日本のマリーンIBAを選定することは多くの協力者とデータを必要とする長期にわたるプロセスでした。」とバードライフのマリーン・プログラムのアジア地域コーディネーターである佐藤真弓は言いました。「けれども、それは実際には最初の一歩で、私はそれが沿岸と海洋の多くの重要なエリアの保全のための情報の提供を助けるものと楽観しています。海鳥の保全に取り組んでいる地域コミュニティや漁業関係者を見ていると希望が湧いてきます。彼らは既にマリーンIBAサイトで野生生物を守るために政府や科学者と共に積極的に活動をしているのです。」

マリーンIBA事業は、公益信託経団連自然保護基金とAmerican Friends of BirdLife Internationalを通してティファニー財団から助成を受けて実施しました。

マリーンIBAの冊子(マリーンIBA白書)は日本野鳥の会のウェブサイトからダウンロードすることが出来ます。

 

報告者: Alex Dale

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