世界で最も希少な鳴禽類10種

Regent Honeyeater © HBW

 

Illustrated Checklist of the Birds of the Worldの第2巻が発売されました。

当然ながらこの本には、数が多く毎日見られるような普通種から、最も熱心なバーダーでなければ見ることができないような極めて稀な鳥まで収録されています。その内容を少しご紹介します。

 

1.タヒチヒタキ Pomarea Nigra

世界で最も危惧される鳥の多くは小さな離島のみで見られ、絶妙なバランスの上に成り立っている生態系に依存しており、外からの影響に適応出来るようにはなっていません。このタヒチヒタキ(写真)のフルートの音のような声はフランス領ポリネシアのタヒチにある僅かな広さの低地の渓谷でしか聞くことはできません。この場所も外来植物とネズミの拡大によって絶滅寸前にまで追い込まれています。SOP MANU(仏領ポリネシアのバードライフ・パートナー)による懸命の生息地再生活動により本種は27羽から約50羽にまで復活しましたが、依然として世界で最も希少な鳥の一種です。

 

2.Black-winged Myna Acridothereres melanopteus

このインドネシアの固有種はかつてソデグロムクドリと呼ばれていましたが、詳しく調べた結果、実際には3種に分けられることが判明しました。Grey-rumped Myna(バリ島)、Grey-backed Myna(ジャワ南東部)、Black-winged Myna(ジャワ、写真の種)の3種です。悲しいことにこれら3種は全て、インドネシアの人々の鳥を飼う文化の対象です。需要を満たすための持続不能な罠猟により3種は全て絶滅危惧ⅠA類になっており、私たちが生きている間に絶滅してしまうかもしれません。

本種は少し前までは普通種でした。けれどもコレクターたちが、姿が似ていて極めて稀なカンムリシロムクの代わりとして熱心に求めるようになったのです。現在ではこの2種が似ているのはその姿だけではなくなりました。

 

3.タイタイロムシクイ Apalis fuscigularis

 

ケニアの断片化が進む森の中でもわずか1.5km2という狭い範囲に生息するこのムシクイの一種は、山地森林の生息地が違法伐採により更に断片化が進む中でも、何とか持ちこたえています。現在の個体数は恐らく100羽以下でしょう。バードライフの「絶滅阻止プログラム」では、パートナーのネイチャー・ケニアと共同で残された森を守る活動を行っており、また分断された個体群のつながりを修復する試みとして苗木の育苗園を建設中です。

 

4.キガオミツスイ Anthochaera phrygia

この目立つミツスイ(タイヨウチョウに似ているがそれとは別の果汁食の仲間)はオーストラリア南東部を群で移動をする種です。けれども近年はその繁殖域がその胸のカナリア色のうろこ模様のようにまばらになってしまいました。農地と住宅地の開発により、現在残っている数百羽は、果汁を他の甘いもの好きの種と争わざるを得なくなっています。

 

5.バンガイヒタキ Eutrichomyias rowleyi

鮮やかな青い羽衣にもかかわらず、インドネシアのサンギヘ島でのみに生息する、極めて見つけにくい本種は120年間も人の目に留まらず、1998年に小さな個体群が発見されるまで絶滅したと考えられていました。現在50羽以下が残っていることが分かっています。島には小さなバード・ツーリズム産業があり、これが地元住民に島に残っている小さな山地森林を保全する動機になってくれることが期待されています。

 

6.ソマリアニセヤブヒバリ Heteromirafra archeri

草原にのみ生息する本種はエチオピアの僅かに残る生息環境に少数が生き残っていることと、以前はソマリアにも生息していたことが知られています。現在では250羽以下が残っていますが、性比が偏っているため有効集団サイズはこれよりも小さく、状況はさらに悪いのです。今後の3世代で80%減少すると予測されており、減少を止めるために地元コミュニティによる草原の保全管理が行われています。もしそれが出来なかったら?ソマリアニセヤブヒバリはアフリカ大陸本土で最初の絶滅鳥という不名誉な称号を得ることでしょう。

 

7.ブグンヤブドリ Liocichla bugunorum

 

1995年に初めて観察され、2006年になってようやく公式に記述されたこの非常にきれいな姿のチメドリ類はインドで50年振りに発見された新種です。本種は、アルナーチャル・プラデーシュ州のイーグルネスト野生生物サンクチュアリの小さな山地に生息することが知られているだけです。近隣の原住民ブグン族から命名された本種は驚くほど希少で、恐らく個体数は14羽程度で、繁殖ペアは3ペアのみが知られているだけです。

 

8.シロハラカワカマドドリ Cinclodes palliatus

この大型のカマドドリは標高4,400~5,000メートルのペルーのアンデス高地の湿地環境に250羽以下が残っているだけです。アルパカ、リャマ、ヒツジなどの過放牧、園芸のための泥炭採取、採鉱および灌漑のための水の採取などの深刻な脅威にさらされています。非常に特殊な生息環境を好むこの鳥の将来は、保護活動が強化されない限り、暗いと言わざるを得ません。

 

9.キムネハワイマシコ Loxioides bailleui

現存するハワイのミツドリの最大種の一つであるキムネハワイマシコはほぼ同じくハワイの固有植物であるマーマネの種子だけを食べます。これらの種子には他の殆どの動物を瞬時に殺す猛毒が含まれていますが、この色鮮やかな鳥には影響を与えないようです。けれども長引く干ばつによりこの植物が減少し、本種の急速な個体数減少を引き起こしています。

 

10.ハワイガラス Corvus hawaiiensis

最後に、最も希少なスズメ目をご紹介しましょう。野生の個体数がゼロなのです。この大きなカラスはハワイ島ではかつて普通に見られましたが2002年までに生息地の喪失、迫害、そして島への鳥マラリアが入ったことにより、完全に姿を消してしまいました。現在、本種は飼育個体のみが生き残っている5種の鳥のうちの一つですが、島の国立公園の一つに6羽を放鳥する野心的なプロジェクトが進められています。

 

報告者: Alex Dale

原文はこちら

 

 

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