生物多様性条約締約国会議が農業、林業、漁業の緊急改革を求める

生物多様性条約締約国会議は自然と調和した未来を目指しています。写真は準絶滅危惧種ジャワトビガエル © Aleksey Stemmer

バードライフは農業、林業、漁業分野における環境の改革を推進する生物多様性条約締約国会議の決定を歓迎します。しかし同時に各国政府のより大きな熱意とすぐさま実行することの必要性を強調しています。

「自然が危機に陥っています。農業、林業、漁業による自然界への影響を減らすために緊急な改革が必要です。これまでと同じやり方は選択肢にはなりません。持続可能でない生産と消費が森林、海洋、河川に深刻な圧力を与えており、世界中で野生生物の個体群の深刻な減少を引き起こしているのです。」とバードライフの政策ヘッドのPepe Clarkeは言いました。

先月、 「愛知目標」の進展度を見直し、自然を保全し復元するための一層の行動を約束するため、約200ヶ国の政府が生物多様性条約(CBD)の第13回締結国会議(COP13)に集結しました。

メキシコ政府の主催によるこの会議では、自然保護を農業、林業、漁業などの生産分野において‘主流化する’ことが焦点となりました。

「多くの国で持続不能な方法による食糧や繊維の生産が奨励されるなど、政府の政策が自然の悪化に積極的な役割を果たしています。」とNABU(ドイツのパートナー)の世界自然政策ヘッドのKonstantin Kreiserは言いました。

「欧州では1980年以降、EUの農業助成金による広範囲にわたる集約的農業により、野鳥の個体数は50%以上も減少しました。世界的に見ると稚拙に設計された政府の助成金制度が過剰漁獲、持続不能な農業活動、熱帯雨林の破壊を含む生息地の喪失を加速させています。」とKreiser氏は言いました。

CBD COP13の最終日に参加国は満場一致で下記の決定を採択しました:

  • 政府に対して環境に有害な農業助成金を段階的に廃止し、生息地の喪失を減らし、水の利用効率を高め、不適切な肥料や農薬の使用を防ぐために法的規制や奨励金を導入するよう求めること。
  • 商品の供給チェーンから森林破壊を無くす努力をする民間企業を歓迎し、政府に対して保護森林の輪を広げ、持続可能な森林管理を推奨し、違法伐採と戦うことを求めること。
  • 海洋生態系を持続可能に管理し、効率的に漁業を統制し、有害な漁業助成金を禁止するよう既存の国際公約を強化すること。

農業、林業、漁業が自然に与える影響を明確にとらえ、に対して明確な環境改革のための命令を出してこれらの部門に対して変革を求める指令を出したのは初めてのことです。」とバードライフ・ボツワナのディレクターKabelo Senyatsuは言いました。

 

国の誓約だけでは自然を守るのに必要な活動に十分ではない。

今回のサミット期間中、5つの主導的な自然保護団体が愛知ターゲットと将来の行動に対する各国の約束の進展度に関する評価を発表しました。

RSPB(英国のパートナー)が作成した評価は以下の通りでした:

  • 現在の進展度および95%の国が計画よりも遅れていることを鑑みると、愛知ターゲットは各国が抜本的に努力を増やさない限り達成できない。
  • 各国が抜本的に目標を高めなければ愛知ターゲットは達成できない。90%の国の「生物多様性国家戦略(NBSAP)」が世界の目標よりも低い。
  • 2020年に向けて大きな進展を果たすためには、高所得国が目標を高め、低所得国が実行に移すためにさらに支援を強化する必要がある。

「この評価の結果は憂慮すべきものです。国レベルでの目標を高め真の行動がなければ世界は自然に対する国際公約を破ることになるでしょう。」とRSPBの国際政策ヘッドのSarah Nelsonは言いました。

「幾つかの政策分野で進展がありましたが、CBD COP13はこれまでの状態から大きく進展することはありませんでした。行動への機運を醸成するため、私たちは政府が進展の不足の責任を負うようにするための努力を強化します。」とNelson氏は言いました。

 

関連情報

バードライフの科学および保全活動に関連する政策関連の主な成果は下記のとおり:

 

報告者: バードライフ政策部

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