独特な生物で溢れ、危機に晒されているアフリカの熱帯雨林が国立公園に

ハゲチメドリ
写真提供: © Michael Andersen

そこは、かつてはギニアからトーゴにかけて絨毯のように西アフリカを覆っていたギニア森林の最後に残された場所です。過去数世紀の間に人の活動により森林は70%以上小さくなりました。

この森はその周辺で生活するコミュニティに必要不可欠な資源を提供しているほか、大小さまざまの印象的な動植物が生息しています。その多くは固有種で、今、森林環境の断片化により生存が危惧されています。

しかし隣国のシエラレオネにまで広がる常緑および半落葉性熱帯林からなるリベリアのゴラ国立公園は、これまでのところ安全とは程遠い状態でした。残存するギニア森林で最大の広さがあるこの重要な地域は、採鉱、採石、木炭生産、野獣肉狩猟など様々な原因で深刻な脅威にさらされています。

けれども、リベリア自然保護協会(SCNL 同国のバードライフ・パートナー)の永年にわたる活動のお蔭で、9月22日、ゴラ森林は公式に国立公園となり、国際的に知られるこの生物多様性ホットスポットは保護されることになりました。

ゴラ森林国立公園は、シエラレオネで2011年に設立されたゴラ熱帯雨林国立公園とつながり、395,000エーカーを越える「平和の公園」となるでしょう。20年前、この地域はリベリアは内戦、シエラレオネは緊張状態にあり、銃撃の音が絶えない場所でした。今では、国境をまたぐ森林は平和と両国政府の自然保護への献身のシンボルです。

この地域では300種を超える鳥類が確認されており、かねてからバードライフではIBA(重要生息環境)に指定していました。Lofa-Gola-Mano複合IBAは、キイロヒゲヒヨドリ、ホオダレサンショウクイ、キンコブサイチョウなど、IUCNレッドリストで絶滅危惧Ⅱ類に分類されている多くの種の生息地となっています。恐らく、このIBAで最もよく知られた象徴的な種はハゲチメドリという大型のスズメ目の種で、その変った姿から別名「ハゲカラス」とも呼ばれ、この地域のエコツーリズムのシンボルになっています。

ゴラ森林国立公園の設立は、サバンナゾウ、チンパンジー(共に絶滅危惧ⅠB類)やコビトカバ(絶滅危惧Ⅱ類)などの大型動物にとっても朗報です。

けれども、この新しく設立された公園で最も興味をそそる住人は、小さい生き物たちです。最新の調査で、6種のトンボとイトトンボ類、3種の蝶および1種のカエルなどが新種であることが分かったのです。

アフリカに残っている森林のうち、公式に保全されているのは3%に満たず、多くの動物が発見される前に絶滅する可能性があります。今回の西アフリカの中央部で設立された国をまたいだ公園の設立は、正しい方向への大きな第一歩です。

報告者: Alex Dale

 

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